「石木ダム・強制収用許さない」 反対派がネットワーク設立

集会やパレードなど展開

©株式会社長崎新聞社

ビナードさん(左)と対談する川原地区の住民=長崎市興善町、市立図書館新興善メモリアルホール

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、建設に反対する有志が10日、「石木ダム・強制収用を許さない県民ネットワーク」を設立した。今後、集会やパレードなどを展開し、強制収用反対を訴えるという。
 石木ダムを巡っては、家屋を含む土地の明け渡しを地権者に求める県収用委員会の裁決が出ている。9~11月の期限までに応じなければ、県と佐世保市は家屋の撤去や住民の排除といった行政代執行を知事に請求でき、知事が対応を判断することになる。同ネットワークは既存の団体の枠を超え、これまで運動に関わっていなくても強制収用すべきでないと考えている幅広い市民に参加してもらおうと設立した。事務局はダム問題について考える市民団体「いしきを学ぶ会実行委員会」。県民以外も参加できる。
 同実行委は同日、長崎市内で集会を開催。米国出身で広島県在住の詩人、アーサー・ビナードさん(52)とダム建設予定地の川原(こうばる)地区の住民3人が対談した。3人は子どもの頃に石木川で遊んだ思い出や地元への思いを語り、「普通に生活しているだけ。何か悪いことをしたのだろうか」などと憤りを示した。
 ビナードさんは故郷の米ミシガン州と川原地区の風景が似ていると明かし、自然を守るため同ネットワークにも名を連ねた。「取り返しがつかない問題がたくさんある中、石木ダム建設はまだ止めることができる。石木川の豊かな自然を生かした経済政策への転換もできるのでは」と語った。