鷹、Vへ鍵握るベテラン川島の復帰 工藤監督も全幅の信頼「戻ってきたことで…」

ソフトバンク・川島慶三【写真:藤浦一都】

左肩痛のため、6月初旬に登録抹消となっていた川島は10日に1軍に復帰

■ソフトバンク 8-4 日本ハム(10日・ヤフオクドーム)

 ソフトバンクは10日、本拠地ヤフオクドームでの日本ハム戦に逆転勝ちした。4点を先行されたものの、中盤以降に日本ハム先発の有原を攻略。2位との直接対決第1ラウンドを制し、その差を4.5ゲーム差に広げた。

 大きな1勝になった。この日、ソフトバンクはキューバ代表の活動のためチームを離れていたグラシアルとモイネロ、そして負傷離脱していた中村晃、福田、川島の5選手が一斉に復帰。スタメンで出場したグラシアル、中村晃、福田はそれぞれ1安打ずつ放ち、モイネロも8回の1イニングを無失点に封じ、復帰戦を勝利で飾った。

 試合後の工藤公康監督は「上がってきた選手はなるべく早く使いたいというのがあった。1本ずつヒットが出て、チャンスにもなり、ダメ押し点に繋がった。よかったと思います」と振り返る。頼もしい主力陣が戻り、その初戦に勝って指揮官も目尻を下げた。

 復帰した5選手のうち、4選手が試合に出場し結果を残した。ただ、工藤監督も、そして森浩之ヘッドコーチも手放しで称賛していたのが、この日、1人出場機会のなかったベテラン川島の存在だった。

 指揮官は試合後、こう語った。「川島くんが戻ってきたことで声をかけて送り出してくれたり、出迎えてくれたりしてくれた。最初の頃に戻ってきた。いい雰囲気かなと思います」。森ヘッドコーチも声を揃える。「全然違う。いると雰囲気が上がる。声をかける内容、タイミングも違う。頼もしいし、助かる」。

 的確な声かけ、ポジティブな雰囲気作り。昨季もコンディションが整わず試合出場が難しい中でも、工藤監督は貴重な1枠を使って、川島を1軍に置き続けた。左肩痛のため、6月初旬から戦線を離れていた川島。首脳陣が、そしてチームメートが、全幅の信頼を寄せる男の復帰は終盤戦にとって大きな“補強”だ。決して出場機会は多くない。それでも、チームにとっては大きな“戦力”の復帰と言えるだろう。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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