柔道男子81キロ級。8年前、ここで優勝して五輪メダリストになった先輩に“努力の少年”が続いた。目標の日本一こそ逃したが、長崎日大の主将の老野が銀メダルを獲得。松本監督は「努力の仕方を間違わなければ、ここまで強くなれると教えてくれた」と賛辞を惜しまなかった。
身長173センチ、体重81キロ。入学当初から身長が7~8センチ伸びたのに合わせて、体重を約20キロ増やした。「でも、ずっと弱かったから…、どうしたら勝てるのかを毎日考えていた」
その答えは一つだった。人一倍の練習を重ねて地道に力をつける。そんな懸命な姿に仲間たちも共感。松本監督が「練習の取り組み方はピカイチ」と評する少年は今季、チームの主将を任されるまでになった。
インターハイ直前。OBで2016年リオデジャネイロ五輪81キロ級銅メダリストの永瀬(旭化成)が激励に訪れ、稽古をつけてくれた。偉大な先輩に力をもらって臨んだ大舞台。簡単に負けるわけにはいかなかった。
この日は磨いてきた組み手を徹底して勝ち進んだ。永瀬を参考にした体さばきや間合いも武器になった。準々決勝で7月の九州ジュニア選手権で敗れた小畑(佐賀商)に大内刈りでリベンジ。準決勝も優勢勝ちした。決勝は力負けしたが、努力の成果は出し切れた。
高校で果たせなかった日本一の夢は、大学で達成しようと思う。「そのためにはもっと考えて、もっと強くならないと」。少しだけ先輩に近づけた夏、思いはより強くなった。
長崎日大・老野 努力の銀 偉大な先輩 永瀬に続く 柔道男子81キロ級
- Published
- 2019/08/12 09:47 (JST)
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