長崎サブカルトーク 地域おこしに活用も 若者流出の抑制に期待

©株式会社長崎新聞社

サブカルについて語る(左から)吉光准教授、井上さん、小松代表、DJけとるさん。スクリーンに映っているのはVチューバー「ビビット」=長崎市、県美術館

 アニメやコスプレなど若者を中心に人気を集めるサブカルチャー(サブカル)について、県内外のイベンターやコスプレーヤーらの第一人者が集い、その魅力や地域おこしへの活用策などを語り合う「長崎サブカルトーク」が、長崎市出島町の県美術館で開かれた。市民ら約60人が参加し、理解を深めた。

 長崎新聞社が創刊130周年に合わせ、長崎県のサブカル文化を盛り上げようと企画した。
 県立大シーボルト校のサークル「デジタルエンターテインメント」が開発した美少女キャラクターのVチューバー「ビビット」がアシスタントとして登場。本紙読者らからツイッターで寄せられた質問などをスクリーンから身ぶり手ぶりを交え紹介した。

◆サブカルとは何か
 冒頭、「サブカルとは何か」という質問に、吉光正絵准教授は「一般的にアイドル、アニメ、ゲームといったメディア文化の総称として使われることが多い」と説明。小松玲奈代表は「社会に漫画やアニメ、ゲームが浸透し、今やサブとはいえないほどメインカルチャーに近い存在になっている」。DJけとるさんは「日本の音楽シーンはJポップが主流だったが、最近はアイドルやアニメソング(アニソン)が人気チャートの上位に入るようになった。そうした楽曲は現在ではポップカルチャーのジャンルとして認知されている」とした。

◆実名流され戸惑い
 出演者が自身の活動を紹介するコーナーで、キャラクター「バナナ姫ルナ」に扮(ふん)した井上純子さんが、「市民活動をサポートする側の自治体職員が、自らコスプレをして観光PRに取り組んだ。珍しいケースとしてメディアに取り上げられた」と述べ、「ネットニュースで実名が流され戸惑うこともあった。周囲の励ましがあり、活動を続けられた」と話した。
 小松代表はイベント「気分は上々」について「漫画、イラスト、アニメグッズの即売やコスプレを楽しめる場。サブカルという言葉が生まれる前から続けている。年に数回開き、毎回500人ほどが集まる」と紹介。「コスプレの中には肌が露出する衣装もある。市民に悪いイメージを持たれないように、コスプレ姿のままイベント会場に来てはいけないというルールがある」と付け加えた。
 DJけとるさんは「カステラボックス」について、「海辺でコスプレをしながらアニソンを聞き、飲食ができる」と、アウトドアでもサブカルを楽しめる場があることを伝えた。
 吉光准教授は県立大のサブカル活動を紹介。「学生同士がアイドルグループ『オランダ坂48』を結成して楽しんでいる」と例を挙げ、「長崎の学生が歌や踊りで自己表現をするのに慣れているのは、長崎くんちの影響があるのではないか」と分析した。

◆趣味楽しみ定住増
 サブカルを地域おこしに活用する方法に関する質問に、吉光准教授は「ネット環境の整備やバーチャルリアリティー(VR・仮想現実)の技術が進めば、アニメやゲームのキャラクターを使った地域おこしはより盛んになるだろう」と予測。井上さんは「バナナ姫もそうだが、観光や名産品を売り込むのにご当地キャラを使うのは有効な手段」と語った。小松代表は「引きこもりの若者がサブカルイベントで同じ趣味の人と知り合い、社会復帰につながったケースがある」と述べ「若者の流出が問題となっているが、趣味を楽しめる場があれば、地元へ残りたいという人も増えるだろう」と語った。
 参加した長崎市の会社役員の女性は「サブカルに関するイベントは今後、長崎の若者流出を抑え、海外からの観光客誘致にも役立つのではないか」と感想を話した。

◎出演者
●長崎市を中心に約25年間、同人誌即売会「気分は上々」を主宰する小松玲奈代表
●「バナナ姫ルナ」のコスプレで北九州市のPR活動を展開する同市職員の井上純子さん
●長崎市でサブカル・ポップカルチャー系の音楽イベント「カステラボックス」を主宰するDJけとるさん
●ポップカルチャー研究に取り組む県立大シーボルト校の吉光正絵准教授
●司会は長崎新聞社生活文化部記者の柿野朋之