「優勝しないと駄目」 大魔神・佐々木氏エール

 プロ野球の横浜DeNAベイスターズがセ・リーグ2位と好位置につけて夏場の混戦に臨んでいる。8月に首位に立てば、リーグ優勝と日本一に輝いた1998年以来だ。その当時、絶対的守護神としてマウンドに君臨した「大魔神」こと佐々木主浩氏(51)は「一番高い所からの景色を今の選手にも経験してもらいたい」と21年ぶりの優勝を狙うチームに熱きエールを送る。

◆「一番高い所の景色経験を」

 10日にはレジェンドOBとして横浜スタジアムで行われた球団創設70年記念試合に登場した佐々木氏。右翼側に「ウィング席」が設けられるなど、自らの現役時代からスケールアップしたホームで始球式を行い、ファンの大歓声を浴びた。

 「今でもあの喜びは忘れられない」と語る98年は防御率0.64、45セーブと圧倒的な成績でチームをけん引し、ベイスターズの38年ぶり日本一の立役者となった。

 この年は当時プロ野球記録だった江夏豊氏の通算193セーブを塗り替えるなど、試合終盤のしびれる場面でマウンドを守り続け、「自分が投げた時は絶対にゲームを落とせないという気持ちが強かった」と振り返る。

 大リーグ・マリナーズでも抑えとして活躍し、2005年にベイスターズで現役引退。チームは長い低迷期をようやく抜け出し、17年にはリーグ3位からクライマックスシリーズを勝ち抜いて日本シリーズに進出するなど着実にステップアップしてきた。

 今季序盤は10連敗で最下位に沈んでいたが、後半戦に入って快進撃を続け、首位奪取は目前に迫る。ただ、「選手はそんなこと考えている暇ないと思うよ。だから勝てるゲームをミスで落とさないようにしないと。特に(現在Bクラスの)ドラゴンズとかヤクルトとやる時は一つも落としちゃいけないぐらいじゃないといけない」とアドバイスを送る。

 ハマのOBとして期待するのは21年ぶりのリーグ制覇と日本一のみだ。「なかなかこんなチャンスないんだから、ここまで来たら優勝しないと駄目。ここまではうまくいっているから、8月をどう戦うかが重要になる」と後輩たちの奮闘を見守る。

© 株式会社神奈川新聞社