MotoGPオーストリアGP:苦しみながら11位フィニッシュの中上「フロントに履いたハードが機能しなかった」

 MotoGP第11戦オーストリアGPで、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が11位でフィニッシュした。予選では自己ベストグリッドの6番手を獲得。2列目からのスタートとなったが、決勝日のコンディションに苦しめられた。

 初日総合は4番手。予選で6番手を獲得し、自己ベストリザルトの更新に期待がかかっていた。中上は予選を終えて「タイヤはフロントにハード、リアにソフトでいきます。目標はトップ5、6以上。ベストリザルトを目標に全力を尽くします」と、タイヤ選択も決まり、レースに向けて確信をもって進んできた様子だった。

 しかし、決勝レースではコンディションが変わった。朝方まで降った雨の影響で、ウオームアップ走行のときの路面状況はウエット。MotoGPクラスの決勝レースが行われるころにはドライコンディションに回復したが、路面温度は低め。中上が選択を決めていた「フロントにハード、リヤにソフト」のタイヤ選択は、この状況で思ったように機能しなかった。

 中上はレース序盤から中盤は8番手で走行を続けていたが、次第にフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)やダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム)、ミゲール・オリベイラ(KTMテック3・レーシング)などに交わされてポジションを落とした。

決勝レースでは苦しい戦いとなった中上

「決勝に向けてセットアップもタイヤ選択も決まっていましたが、決勝レースはコンディションが変わり、フリー走行、予選のような走りができませんでした」と中上はレースを振り返る。

「特にフロントのハードタイヤがうまく機能せず、ペースもつかめませんでした。ブレーキングはよかったのですが、セクター3、4の高速コーナーでサイドグリップをうまく引き出せず、自分の速い区間でアドバンテージを活かせませんでした。気温、路面温度が低かっただけでなく、朝方まで降った雨も影響したと思います」

 序盤にポジションを落とすことがあっても、中上は終盤にはじりじりとポジションを回復していく粘り強さがある。しかし、今回はその終盤にポジションを落とす、苦しい戦いを強いられた。

 しかし一方で、予選までのセッションでは速さを見せたことも確かだ。次戦イギリスGPで、溜飲を下げたい。

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