「結果出さないとクビになる」鷹のベテラン川島、復帰後初スタメンでも貢献

ソフトバンク・川島慶三【写真:藤浦一都】

左肩痛から10日に1軍復帰、12日の日本ハム戦で復帰後初スタメン

 12日、ヤフオクドームで行われた日本ハム戦。直接対決3連勝を飾ったソフトバンクで貴重な働きを見せたのが、この日「1番・二塁」でスタメン出場したベテラン、川島慶三内野手だった。

 初回、復帰戦となった先発の和田が3者連続奪三振の圧巻の立ち上がりを見せた。その裏、打線はいきなり3点を先制した。この初回の攻撃を呼び込んだのが、川島だった。

 和田の3連続三振でどよめき、沸いた本拠地のスタンド。川島のバットがそのボルテージをより一層高めた。初回、先頭で打席に入ると、2ストライクからの4球目、日本ハム先発の吉川の低めのスライダーを捉え、三遊間を抜いた。左前安打で出塁すると、今宮が犠打を決めて二塁へ進んだ。

 続く内川が左前に弾き返すと、二塁から一気に生還して先制のホームを踏んだ。さらにデスパイネにも28号2ランが飛び出し、この回一挙に3得点。このまま一度も追いつかれることはなく、川島が踏んだ先制点が、結果的に決勝点となった。

「プレーでも見せていけたらなと思ってやってます」

 和田が作った勢いを加速させ、先制劇の口火となった川島の一打。試合後、川島は「(和田さんのピッチングに)乗っていけるかなと。プレッシャーになりましたけどね(笑い)。意識はしましたよ。今宮もきっちりバントを決めたし、内川さんもタイムリー打って、デスパイネも本塁打。みんながやることをやった感じ」と振り返った。

 10日の日本ハム戦で左肩痛からの復帰を果たし、この日が復帰後初スタメンだった。プレーだけでなく、ベンチでチームを鼓舞する姿勢も首脳陣から高く評価され、全幅の信頼を寄せられている。その一方で、試合に出れば、結果を残す。出番は主に左投手の時だが、ここまで28試合で打率は.347を記録している。

「結果出さないとクビになりますからね。そういう年齢なので。そう言ってくれるのは有難いですけど、プレーでも見せていけたらなと思ってやってます」。復帰後初出場だったこの日は2回の第2打席でもきっちり四球を選び、2打席で出塁した。

「和田さんもプレッシャーがかかったと思う。さすが、です。今日は和田さんのおかげ。やっぱり和田さんじゃないですか。あとはこっちが乗せられた感じでした」と、川島は先輩の和田に花を持たせた。この日お立ち台に上がったのは和田、2本塁打のデスパイネ、好リリーフを見せた甲斐野の3人だった。だが、川島もまた、この日の勝利の立役者だったと言えるだろう。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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