外資系エアラインではCAに求められる資質が違う!?
近年、大手航空会社だけでなく、LCCの大規模な日本参入に伴ってCAの採用も多種に渡るようになってきました。
日系大手エアライン、外資系エアライン、LCCではそれぞれCAに求められる資質が違います。
そこで、今回はアジア系、欧州系エアライン系3社での乗務経験のある筆者が、外資系エアラインと日系エアラインの違いや、外資系エアラインの客室乗務員採用試験及びCAに求められる資質について解説いたします。
外資系エアラインにおける日本人CAの役割
外資系エアラインのCAを志すにあたって、まずはしっかりと外資系CAの役割を把握する必要があります。
外資系エアラインでの日本人CAにはどういう役割があるのか解説いたします。
日系エアラインでは客室乗務員のほとんどが日本人で、国際線の場合そこに外国籍のクルーが数名入るという形が一般的。
お客様もほとんどが日本の方です。
それに対して、外資系エアラインでは日本人乗務員が外国人クルーという位置付けになります。
ローカルクルー10名前後に対し、日本人乗務員が1~4名というのが一般的です。
お客様の割合は路線によって日本人がほとんどというフライトから外国人のお客様と半々というフライトもあります。
これまで3社の外資系エアラインを渡り歩く中で共通して言われることは、「日本人のお客様には日本人にしか分からない独特のニーズがある」ということです。
私たち日本人乗務員が、高いコストを払ってでも採用される理由はここにあります。
では、日本語が話せて日本人らしさがあれば合格できるのかというと、ちょっと違います。
外資系エアラインCAに求められる役割とは、「外国人乗務員と日本人のお客様の橋渡し役」になることです。
海外のエアラインに入社してその国の文化や風習、働き方を理解し、柔軟に彼らのワークスタイルに適応しながらも、日本人のお客様には日本人らしいおもてなしをする。
それが外資系エアラインにおける日本人CAの役割です。
次のページ:外資系CAに求められる資質とは?
外資系CAに求められる大切な要素2つ
英会話力外資系エアラインでなんといっても必要なのは英会話力です。エアラインによって求められる英語力の目安は異なりますが、
・アジア系エアライン TOEIC600点程度
・欧州系エアライン TOEIC800~850点以上
・欧米・中東系エアライン TOEIC850~900点以上
が目安と言えます。
これはあくまで目安であって、共通して言えることは、入社直後にあるトレーニングを英語でクリアーできる能力があり、機内での緊急時に外国人クルーと日本人のお客様の間に立って冷静に適切な通訳ができる能力があることがポイントです。
自分の意思をきちんと伝えられる自己主張能力二つめに大切なのがきちんと自己主張ができる能力です。
日本では、“謙譲の美徳”という言葉があり、自己主張をすることに少し抵抗があるかもしれません。
ですが、外資系エアラインでは自分の意思をきちんと主張できないと、意思がない人と思われてしまいます。
外資系エアラインでは一機に乗務する日本人の人数が限られていて、入社直後からビジネスクラスを担当したり、フライト前のブリーフィングで外国人クルーに日本の文化やおもてなしに関して紹介したりと、ひとりひとりが自己の意思を述べ、イニシエティブを取れる能力が必要とされます。
といっても、日本人のお客様や日本人乗務員の先輩方にはきちんと日本人らしく接することができるのが大前提です。
外資系CAと日系CAで求められることは違う
このことを理解せずに外資系CAを目指しても、なかなか合格には手が届かないかもしれません。
求められている役割、資質が違うということを理解して、自分の強みをしっかりアピールできるようにしたいですね。