　大型の台風10号は、あす15日(木)にかけて四国地方に接近、上陸するおそれがある。西日本から東日本の太平洋側を中心に大雨となり、猛烈な風が吹き、猛烈なしけも予想されている。

　土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、暴風や高波に厳重な警戒が必要だ。

　大型の台風10号は、きょう14日(水)午前3時には種子島の南東の海上にあって、1時間に約15キロの速さで西北西へ進んでいる。中心の気圧は965ヘクトパスカル、最大風速は30メートル、最大瞬間風速は40メートル。

　台風はこの後、北よりに進路を変えて強い台風に発達した後、やや勢力を弱めてあすには四国地方に上陸し、西日本を縦断する見通しだ。あす夜には日本海に達し、次第に温帯低気圧の性質を帯びつつ速度を速め、17日(土)にかけて北日本へ接近する予想となっている。

　大雨・雷・突風

　台風の接近に伴って、東日本と西日本の太平洋側では、台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となっている。あさって16日(金)にかけて、西日本から東日本の太平洋側を中心に、広い範囲で雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降る見込み。

　また、台風の接近に伴い、台風本体や周辺の発達した雨雲が流れ込むため、雷を伴った猛烈な雨の降る所もあり、西日本を中心に雨量がさらに多くなる見通しだ。

　台風の接近及び通過による総雨量は、紀伊半島や四国の南東斜面を中心に、多い所で1000ミリを超える大雨となるおそれがある。

　土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒し、落雷や竜巻などの激しい突風に注意が必要だ。発達した積乱雲が近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めたい。

　暴風・高波

　西日本から東日本の太平洋側や南西諸島では、台風の影響で海上を中心に強い風が吹き、うねりを伴った大しけとなっている。

　今後、西日本の太平洋側や南西諸島では台風の接近に伴って風が強まる見込み。西日本ではあすにかけて非常に強い風が吹き、特に今夜からあす夜にかけては、猛烈な風が吹く所もありそうだ。

　また、西日本から東日本の太平洋側の海上では、きょう夕方からあす夜にかけて、猛烈にしける所がある見通し。暴風や高波に厳重な警戒が必要となる。

　19日(月)にかけて大潮の時期にあたるため、平常時の潮位が高くなっている。台風の接近・通過に伴い、あすは九州北部地方で、海岸や河口付近の低地での高潮に対する厳重な警戒が必要だ。

　潮位が堤防を越えなくても、潮位が高い中で高波があると波が海岸堤防を越えて浸水するおそれもある。高潮や、高潮と重なり合った波浪による浸水などにも、厳重に警戒したい。

　なお、予想される最高潮位は、高い所で、

　　佐賀県　標高1.9メートル

となっている。