デビュー20周年となる島谷ひとみがミニ・アルバムを発表。“CDのみ”、“MUSIC VIDEO付き”でも発売しているが、このLIVE DVD付きがオススメだ。
CDの全6曲はいずれも夏らしい爽快なナンバーが揃う。『亜麻色の髪の乙女』の新録も、大ヒットした02年当時は眩い光を放つような強い歌声だったが、本作では優しさが加わってリラックスさせる作品となった。
最大の聴きどころは前アルバムにも収録された『gentle rain』の新バージョンだろう。失恋の痛みを雨に癒されるというミディアム・テンポのバラードだが、島谷の優美な歌声が上手くハマっており、ファルセットも上手い。彼女の新たな代表作になることを期待せずにいられない。
DVDの方は、浜離宮朝日ホールでのLIVEを収録。音響で評判の会場にて、バイオリンやピアノ、フルートなど生楽器のゆったりとした演奏を中心に、島谷がたおやかな歌声を聴かせる。『久遠-kuon-』や『沙羅双樹』など00年代の楽曲も、生きることや愛することなど、メッセージ性が前面に出ていて興味深い。このLIVEでも、あえてピアノだけで歌った『gentle rain』の熱唱が強く印象に残った。
DVDはオフショットも含め約98分を収録。本作を見聞きすれば、奇をてらわなくても、人の心に訴えるヒントが得られるはず。
（エイベックス・CD+LIVE DVD盤 6000円＋税）＝臼井孝
