日立、語らいの場に幕 市民ら月1回集い173回目 会場居酒屋、8月末閉店 立場さまざま、惜しむ声

©株式会社茨城新聞社

店主の日渡貴夫さん(右から3人目)を囲むファーストマンデー最終回の参加者=日立市弁天町

「熱き思いを語ろう 日立!」をスローガンに、毎月第1月曜の夜に日立市内の居酒屋で続いてきた自由な語らいの場・ファーストマンデーが5日の173回目で幕を閉じた。同居酒屋が8月末で閉店するためで、15年目を迎えた取り組みに対し、最終回の参加者からは「一つの時代が終わるようだ」と惜しむ声が聞かれた。

ファーストマンデーは2005年3月、居酒屋・鳥太郎日立銀座店(同市弁天町)で同店経営の日渡貴夫さん(77)らが発起人となって始めた。「日立市、または市民に対して熱き思いを持ち、住みよいまち、楽しいまち、桜のまちを創ること」が取り組みの趣旨。当初は市内の大手企業幹部や事業所・飲食店の経営者、市の職員などさまざまな業界、立場の100人近くが賛同者として名を連ねた。

趣旨に賛同し、1人2千円(おつまみ付き飲み放題)の会費を払えば誰でも参加できた。参加者は夕方の開店時から三々五々集まり、同店の一角に陣取って自由に語り合う。開始当時は毎月20人前後が参加し、最近は数人のことが多かったものの、14年以上、途切れずに続いてきた。

発起人の一人で同市料飲業組合連絡協議会長の佐渡淳三さん(72)は「ここでの話が実際の取り組みとして実を結んだこともある」といい、「課題が山積する今だからこそ、さまざまな立場の人が集い、自由に話し合う場は貴重だった」と残念がった。

開始当初から参加してきた、市内で建築設計会社を営む飯塚親治さん(72)は「ある意味、大きな歴史が幕を下ろすようなもの。残念だが、新たな語らいの場所ができることに期待したい」。10年ほど前から参加している製菓店経営、武田太志さん(54)は「若い世代も巻き込んで、自由に集まれる場所をつくっていかなければならない」と話した。

日渡さんは高齢になったことなどから閉店を決め、「日立を愛する人、桜を愛する人、友達の悪口を言わない人が気軽に集まれる場所をつくりたいという思いだった」とファーストマンデー開始当時を振り返りながら、「これから、若い人たちの中に同じ思いを持った人が出てきてくれればいい」と期待した。(斎藤敦)