海星 17年ぶり夏1勝 聖光学院(福島)破り3回戦へ 右の中軸 髙谷、坂本 連打で先制「楽しめた」

【2回戦、海星―聖光学院】9回表海星1死三塁、太田の犠飛で三走高谷が頭から滑り込んで生還=甲子園

 長崎県高校野球界を長年リードしてきた海星が、令和元年、101回目の夏に新たな歴史のページを刻んだ。約3万8千人の大観衆が見守る中で、17年ぶりに初戦を突破。主将の坂本は「ヒットを打ったり、一つアウトを取るだけで、こんなにも歓声が起きるんだな、と思った。楽しめた」と充実感に浸った。
 相手エースは福島大会で準決勝、決勝と2試合連続完封してきた左腕。海星の1~3、6~8番の左打者がどう攻略するかが一つの鍵だった。ここで気を吐いたのが右の4、5番。0-0の四回、4番髙谷が外角高めの変化球を右中間の二塁打にすると、続く坂本が内角低めの直球を左前へ運んだ。2死無走者から鮮やかな連打による先制に、甲子園は沸いた。
 2-1の九回は敵失で出た髙谷が二盗。坂本はバントがファウルになり追い込まれたが、強攻に切り替えて逆方向へ最低限の進塁打を転がした。長崎大会の8番から6番に上がった太田の犠飛をお膳立て。決勝の3点目のホームに頭から滑り込んだ髙谷は「自分たちが機能しないと勝てないと思った」と真っ黒なユニホームで胸を張った。
 昨年までの過去10年間でわずか3勝と低迷していた長崎県勢としても、4年ぶりの白星。加藤監督は「勝ち方を忘れていた。本当にうれしい」と選手の成長を素直に喜んだ。
 次はチーム43年ぶり、長崎県勢12年ぶりの8強へ。これまでくすぶってきた伝統校が、熱く、長い夏を長崎に届ける。

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