WWFとMSCなど、国内の持続可能な水産業の取り組みを表彰へ

WWFジャパン、MSCジャパン、シーフードレガシー(東京・中央)などはこのほど、第1回「ジャパン・サステナブルシーフード・アワード」の開催を発表した。持続可能なシーフードに貢献する個人、企業、団体などからの応募者が対象で、大和総研 研究主幹の河口真理子氏など、国内の主要な専門家8人が審査員を務める。審査員の一人、一般社団法人Chefs for the Blue代表の佐々木ひろ子氏は「あと一押しで花開く『志』も積極的に応援したい」と、持続可能性への取り組みを今後につなげる狙いを話す。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本啓一)

水産分野の持続可能性に関する課題は近年、国内で急速に認知や取り組みが拡大している。そんな中、WWFジャパンやMSCジャパン、ASCジャパン、セイラーズフォーザシー日本支局、シーフードレガシーらの海洋・水産分野に関わる団体と企業が実行委員会を組織し、第1回「ジャパン・サステナブルシーフード・アワード」を開催することを発表した。

アワードはサステナブル・シーフードの普及に貢献した組織や個人による取り組みを表彰する「イニシアチブ・アワード」と、複数の企業、組織、もしくは個人がノウハウを共有することで実現した取り組みを表彰する「コラボレーション・アワード」の2部門から成り、いずれも応募者が対象(応募無料)。受賞者の発表と授賞式は11月7日、「東京サステナブルシーフード・シンポジウム2019」内で行われる。

サステナブル・シーフードを定義しようとすれば、認証がひとつの目安になるが、現状では認証品のほとんどが外国産の冷凍魚だ。審査員の一人、一般社団法人Chefs for the Blue代表の佐々木ひろ子氏は「サステナブル・シーフードというコンセプトが日本で普及してきた中、アワードの開催によって国内のプレイヤーや国産の魚にフォーカスが当たる。今後の流れに期待したい」と国内でのアワード開催の意義を語る。

また「取り組みに対する思いや志と実行力のバランスは審査点のひとつ。ただし『あと一押し』で花開く志であれば、積極的に応援したい」と、ポジティブな取り組みの潮流を主流化し、後押ししていく狙いを話した。

アワードへの応募は日本国内でのプロジェクトに限り、現在受け付け中。

第1回「ジャパン・サステナブルシーフード・アワード」公式ページ 

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