すてきナイスの元会長ら起訴 粉飾決算で横浜地検

すてきナイスグループ本社の家宅捜索で押収した資料を運び出す捜査員ら=5月16日、横浜市鶴見区

 東証1部上場の住宅関連会社「すてきナイスグループ」(横浜市鶴見区)が決算を粉飾したとされる事件で、横浜地検特別刑事部は14日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で、元会長(71)=川崎市幸区=と元社長(67)=東京都国立市=の両容疑者、法人としての同社を起訴した。同法違反容疑で一緒に逮捕された元取締役の男性(63)については、釈放した上で在宅で捜査を進める。

 起訴状などによると、元会長、元社長の両被告は共謀して2015年6月26日、架空の売り上げ約32億円を計上するなどして黒字に見せかけた同年3月期決算を有価証券報告書に記載し、関東財務局に提出した、とされる。地検は両被告の認否を明らかにしていない。

 地検によると、業績の下方修正を繰り返すことで、金融機関からの融資の見合わせや株価の下落を恐れた創業家出身の元会長が、赤字を隠すため粉飾を主導したとみられる。地検は、他の決算期での粉飾の可能性も含め、同社の財務状況を引き続き調べる。

 地検によると、同社はグループで所有していたマンションや土地などの不動産を、元会長の影響下にあるグループ外企業が出資したペーパーカンパニーに売却。こうした架空取引で利益を水増ししていたという。

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