「修道士 小崎登明・91歳」展始まる ナガサキピースミュージアム 75年当時の被爆マリア像 写真初公開

写真のデジタル化に携わった野々村さん(右)、塩沢さん(左)とともに写真展を楽しむ小崎さん=長崎市、ナガサキピースミュージアム

 かつて長崎で暮らしたポーランドの修道士の姿を通し、平和の大切さを考える写真展「修道士 小崎登明・91歳」が14日、長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで始まった。長崎で被爆した修道士、小崎登明さん(91)=諫早市在住=が1955~65年に撮影したモノクロ写真約80点が並ぶ。北海道から長崎に戻った75年当時の「被爆マリア像」の写真も初めて公開された。
 小崎さんは長崎原爆で母親を失い、孤児となり、聖母の騎士修道院で生活。月刊「聖母の騎士」の編集に携わり、同修道院やポーランドのコルベ神父のゆかりの地を撮影してきた。
 撮りためたネガアルバムは56冊。5年前、諫早市の養護老人ホームに移った後、小崎さんのブログを通じて知り合った長崎市の野々村哲さん(42)と塩沢美樹さん(36)がネガ約1万枚余りをデジタル保存。3人で編集した写真集「昭和に生きた修道者たち」を今年2月、自費出版した。
 写真展では、デジタル化された写真の中から長崎にゆかりの深いゼノ神父らの姿や、かつて同修道院があった大浦地区の街並み、ポーランドの様子をとらえた写真を展示。小崎さんは「孤独と出会いを通して、愛と命の喜びを感じる私の人生そのもの」と述べ、2人との出会いから発展した同展に感慨深い表情。
 野々村さんは「ステレオタイプの修道士の写真でなく、それぞれの素顔がよく出ている」、塩沢さんは「さまざまな発信を続けている小崎さんの生き方を感じ取ってもらえたらうれしい」と話した。9月8日まで。月曜休館。

© 株式会社長崎新聞社