中心街マップ作り20年 水戸の大橋さん、1人で取材 店舗や事業所きめ細かく 来年20号、活動継承へ

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中心商店街マップについて説明する大橋章さん=水戸市南町

水戸市内の商店や市役所などで無料配布している「中心商店街マップ」が創刊から20年を迎えた。水戸の中心市街地で営業する店舗や事業所などをきめ細かく掲載したマップは、市商店会連合会長などを務めた同市の大橋章さん(85)が1人で取材し、毎年更新している。来年には20号の節目を迎え、大橋さんは「活動を引き継ぎたい」と、自らの取り組みに終止符を打つ意向だ。

マップは横83センチ、縦25センチのカラー版を六つ折りした。水戸市柵町や水戸駅前から大工町まで延びる目抜き通りを中心に、飲食・物販店や公共施設、医療機関、事業所など、ほぼ全ての施設を掲載。各施設には居酒屋、美容室、日本料理などの業態も説明し、食事ができる店舗には「食」のマークも記した。

創刊は2000年。きっかけは商業施設の撤退が相次いだことが背景にある。まちの姿が変わる中、「的確に情報を伝えるものが当時はなかった」。当初は南町から大工町までのエリアを地図にする構想だったが、市街地全域を要望する周囲の声に押され対象エリアを広げた。

ただ、第1号の完成は困難を極めた。列車路線図などを参考に国道50号など道路の配置から始めたものの、「出来上がった試作品は非常に分かりにくかった。ほぼ1年かけて作り直した」と当時の苦労を振り返る。

大橋さんを中心に、商店会が黄門像を南町に設置した02年を除き、毎年3月に約1万部の発行を続けてきた。毎年2月前半には、2週間かけて自転車にまたがり詳細に取材。看板が取り外された店舗や新たに開業した施設を調べ上げ、地図上に反映させてきた。

マップの表紙には常澄や内原地区も加えた広域図を載せ、主要な施設を紹介。水戸駅から各施設までのタクシー料金なども掲載し、まちの駅や市役所などで無料配布している。発行費には市の商店街活力アップ事業の補助金を活用している。

マップは来年、20号の節目を迎える。「体力的にも活動を手放す時期にきている」。21号からは民間のまちづくり会社「まちみとラボ」(同市、三上靖彦社長)へ引き継ぎを依頼、同社も検討を進めている。三上社長は「マップは水戸に定着している財産。できる限り応えられるよう考える」と話す。

長く中心市街地を取材してきた大橋さん。まちの移り変わりについて「店舗がどんどん欠落している」と話す。第1号に比べ、最新の19号では青色で塗りつぶされた駐車場の区画が大幅に増えた。「新たなまちの在り方が求められている」。大橋さんは紡いできた“まちの記録”に目を落とした。(前島智仁)

発行から20年を迎えた「中心商店街マップ」