避難所開設相次ぐ

©株式会社中国新聞社

小屋浦ふれあいセンターに避難した住民たち(14日午後7時21分、広島県坂町)

 台風10号の接近に備えて中国地方の自治体は14日、相次いで避難所を開設した。昨年7月の西日本豪雨の被災地では、早めに安全な場所に移って警戒を強める住民の姿も見られた。

 西日本豪雨で土石流が発生した広島県熊野町は午後1時、早々と自主避難所3カ所を開設。午後7時現在で計6人が避難した。

 豪雨で12人が犠牲になった同町川角の団地「大原ハイツ」に自宅がある栗栖正文さん(73)は家族3人で町民会館に駆け込んだ。あの日、近くの住宅が流されるのを目の当たりにした。「あれから恐怖が頭から離れない。大雨が降りそうになるたび、不安で家にいられない」と声を落とした。

 18人が亡くなった同県坂町は午後6時50分、土砂災害警戒区域などに警戒レベル3の避難準備・高齢者等避難開始を出し、13カ所に避難所を設けた。最も多い16人が犠牲になった同町小屋浦地区では、多くの高齢者が小屋浦ふれあいセンターなどを訪れた。同センターまで近所の人に車で送ってもらった女性(80)は1人暮らし。「早めの避難を心掛けているが、持病がある。避難所は体が痛くなるので大変」と話した。

 広島県によると午後9時半現在、自主避難者向けも含め両町や呉、三原、福山市など16市町が計295カ所に避難所を開いた。山口県でも午後7時現在、柳井、周南市など13市町が計66カ所の自主避難所を設けた。島根県は吉賀町が午後6時に5カ所を開設した。

 一方、呉市川尻町では防災行政無線設備の故障が見つかった。市によると、小用地区のスピーカー1台で避難情報の放送が途切れて分かった。市は広報車などで重点的に巡回する。