基地と戦争歩み知る 相模原でキャンプ座間展、18日まで

キャンプ座間の歴史をひもとくさまざまな資料が並ぶ企画展 =相模原市南区の相武台公民館

 旧日本陸軍士官学校だった在日米陸軍キャンプ座間(座間、相模原市)の歩みから戦争と平和について考える企画展が、相模原市南区の相武台公民館で開かれている。多くの将校を送り出した陸軍士官学校の様子や、戦後74年がたった今も駐留する米軍のキャンプ座間を写真パネルなどで紹介。地域の歴史から、平和の大切さを考えてもらう。18日まで、入場無料。

 会場には、パネルや資料など約200点を展示している。1937(昭和12)年に陸軍士官学校が東京から移転してきたことや、当時1300人の生徒が学び、卒業式に出席した昭和天皇が学校の場所を「相武台」と名付けたことなどを紹介している。

 キャンプ座間内には命名を記念した石碑「相武台碑」など陸軍士官学校時代の記念碑が数多く残るが、これらを1点1点を写真付きで並べ、石碑の文字を紙に写した拓本も展示している。また、米兵や家族と市民との交流活動や、基地に反対する市民運動についても学ぶことができる。

 地域の変遷と全体の流れを合わせて知ることができるよう、太平洋戦争末期にあった硫黄島の戦いや、国内唯一の地上戦となった沖縄戦、広島と長崎への原爆投下などを解説。日米安全保障条約や日米地位協定の全文や、最近の日米の軍事情勢もパネルにまとめている。

 企画展は、地域住民でつくる実行委員会が毎夏開いている「戦争と平和展」の第3弾。実行委員長で展示を監修した郷土史家の涌田佑さん(90)は「身近な地域にあるキャンプ座間の歴史や、実態を知る人が少ない。特に、若い人に理解を深めてもらいたい」と展示に込めた思いを語る。

 涌田さん自身も、戦争を体験した一人。平塚にあった海軍火薬廠(しょう)で勤労学徒として働いている16歳のとき平塚空襲に遭った。「戦争の恐ろしさと平和の尊さを多くの人に感じてほしい」と来場を呼び掛けている。

 午前9時~午後5時(最終日は正午まで)。終戦の日の15日は午後1時半から、すいとんを食べながら戦争体験などを語る会が開かれる。

 問い合わせは、相武台公民館電話046(256)3700。

© 株式会社神奈川新聞社