冥福祈り平和誓う 県戦没者追悼式

献花し手を合わせる参列者=県民会館

 県戦没者追悼式は15日、県民会館で開かれ、県内の遺族ら約750人が戦没者の冥福を祈り、平和への誓いを新たにした。

 石井隆一知事が式辞を述べ、全員で黙とうした。中川忠昭県議会議長、市町村代表の田中幹夫南砺市長、田原政信県遺族会長が追悼の言葉を述べた。

 戦没者の妻と遺児、孫、ひ孫の代表として、長田とし子さん(100)=魚津市大海寺野、嶋田節子さん(74)=高岡市二塚、田中尚志さん(58)=氷見市堀田、亀山康拓さん(32)=立山町岩峅寺=の4人が献花した。堂故茂、柴田巧の両参院議員らが花を手向けた。

 長田さんは、陸軍伍長だった夫がフィリピンのルソン島で1945年4月に戦死したという。この日は長男の宏泰さん(74)に付き添われ「長い時間たったが、たまに戦争のことを思い出す。平和な今の世の中がありがたい」と涙ぐんだ。

 県内の戦没者は3万762人で、そのうち軍人軍属は2万4974人、外地一般邦人死没者は3043人、戦災死没者は2745人。県によると、参列した遺族の平均年齢は77.06歳。

追悼式の様子を静かに見守る参列者
そろって献花した戦没者の家族代表

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