子どもたちと夢追い掛け 警察官退職し指導に専念

19日、全国大会初出場

©株式会社長崎新聞社

浦監督(中央)を囲む南長崎マリナーズの選手たち=長崎市平山台2丁目、平山台第6公園

 18日から東京都で開かれる「高円宮賜杯第39回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」に長崎市の南長崎マリナーズが初出場する。率いるのは2001年の創部以来、監督を務める浦根(うらはじめ)さん(52)。「小学生の甲子園」と呼ばれる同大会で頂点を、という夢を子どもたちと一緒につかもうと、約30年間勤めた警察官を退職し、指導に専念する道を選んだ。
 7月下旬、長崎市平山台2丁目のグラウンド。浦さんは、選手の動きから目を離さず好プレーには選手の名前を呼んだり、声をかけて励ましたりしていた。重松丈一郎主将(12)は「明るく話してくれる優しい監督。いいプレーは褒めてチームを盛り上げてくれる」と信頼を寄せる。保護者会の陣内純大会長(42)も「子どもたちのことを信じ、すみずみまで見てくれている」と人柄を語った。
 浦さんは愛知県出身。小学生で野球を始め、大学時代は高校球児の指導に携わった。1989年長崎県警の警察官を拝命。初任地の諫早署で、交番勤務をしながら中学生の指導を始めた。大瀬戸署(現西海署)でもコーチ、監督として池島中を県大会優勝まで導いた。
 97年、大浦署に転勤。浦さんの指導力を耳にした地元住民から「小学生のチームを創ってほしい」と依頼された。刑事に成り立てで仕事を覚え始めたばかりの浦さんは固辞していたが、住民の熱意に押され、2001年に監督に就任した。しかし、試合中でも事件があったら中座しなければならない。結果を後から聞くたびに「最後まで見たいという気持ちは常にあった」と振り返る。
 浦さんは遠方の警察署に異動になっても指導を継続。17年からは平戸署勤務となったが、それでも片道2時間以上かけて長崎市に通った。今春、壱岐署への転勤が決まった時、さすがに両立は難しいと退職を決意した。
 生活が変わり、これまでの土、日曜主体から平日も指導できるようになった。そこで取り組んだのが打撃面の強化。週3回の練習で1日70回バットを振らせ、週6日は50~60回の素振りの宿題も課した。「1カ月で2千スイングすることになる、信じてやってみよう」。バッティングの自信につながり、5月の県予選優勝の力となった。
 浦さんは「優勝を目指すことはもちろん大事」とした上で「全国大会の経験は野球人生を大きく変える。試合だけではなく、いろんな経験を通し多くのことを学んでほしい」と話した。
 初戦は19日。東京都の明治神宮野球場で福井県代表と対戦する。

練習でノックをする浦監督=長崎市平山台2丁目、平山台第6公園