「令和の時代も、慰霊忘れないで」 平和の継承、戦没者追悼式

戦死した父の写真を手に持つ遺族代表の森本浩吉さん=東京・日本武道館

 東京・日本武道館で15日に開かれた全国戦没者追悼式には、県内から9~92歳の373人が参列した。式典では、横浜市南区の森本浩吉さん(77)が全国の遺族を代表して追悼の辞を述べたほか、参列した遺族らは、令和の時代も変わらぬ平和の継承を願った。

 最年長の岩瀬栄さん(92)=横須賀市=は17歳の時、当時世界最大の空母だった「信濃」の乗組員として横須賀から呉に向かう途中、米潜水艦に雷撃された。自身は護衛の駆逐艦に救助されたが、同乗していた乗組員の大半は帰らぬ人に。「一緒に食事をしたり、遊んだりした友達が、目の前で沈んでしまった。これは忘れられない」と話す。「令和の時代になっても、戦没した人の慰霊は忘れないでほしい」と託した。

 若い世代の姿もあった。最年少の参列者(9)=横浜市金沢区=は、祖母(76)らと初めて参列。曽祖母らが沖縄で戦死した話を家族から聞き、「亡くなったことも悲しいし、自分のお母さんを亡くしたおばあちゃんもさみしかったと思う」。式典への参列を「緊張した」と語り、大切な思い出になった様子だった。

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