「オショロ流し」で祖先の霊、送る 三浦・三戸海岸

「オショロ船」を沖まで引く少年たち=三戸海岸

 国の重要無形民俗文化財に指定されている盆行事「三戸のオショロ流し」が16日、三戸海岸(三浦市初声町三戸)で執り行われた。手作りのわら船を子どもたちが沖まで引き、盆に迎えた祖先の霊を送った。

 地元3地域の保護者が午前6時ごろから、全長約5メートルの「オショロ船」を製作。竹で骨組みをつくり、わらを敷き詰め、白ちょうちんなどで飾った。船首には仏壇などに供える「お精霊様」の筒を取り付けた。

 その後、「セイトッコ」と呼ばれる小学1年から中学3年までの少年たちが、完成した船をロープで引っ張り、沖へと送った。

 三戸の代表区長の田中隆城さん(61)は「少子化で年々難しくなっているが伝統行事なので大事に続けていきたい」と話した。

 オショロ流しは江戸時代には行われていたとされる。

© 株式会社神奈川新聞社