世界遺産の在り方探る 地域の課題解決へ提言 長大生が外海でフィールドワーク

観光客(左)に外海に来て気付いたことや感想などを聞く学生たち=長崎市西出津町、旧出津救助院

 長崎大多文化社会学部の学生十数人が13日、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産がある長崎市外海地区で、保全や活用の在り方を探るフィールドワークを始めた。住民らと交流しながら資産や地域の課題などを年内調査し、解決に向け若い視点で提言する。
 学生らは才津祐美子准教授のゼミに所属する2、3年生。4月から外海地区の歴史、文化などを文献で学ぶなど準備を重ねた。
 フィールドワークは県、長崎市が連携しており「外海観光の現状と課題」など三つのテーマに分かれて活動した。出津教会や大野教会、旧出津救助院などを訪れた観光客や、案内をするガイド団体の人、出津地区まちづくり協議会メンバーらに質問した。
 「来訪者側の視点」を調べるため、観光客に印象などを聞いた3年の澤田陽依(ひより)さん(21)は「今のままがいいと話す人もいて意外だった。調査を地域活性化につなげたい」と意気込んだ。2年の川越汐莉さん(19)は教会守など地元の人に話を聞き「地域と行政との連携が大事だと分かった」と話した。

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