2019年のお盆休みも実践! MOTAの名物企画『高速道路と一般道はどっちが早く着く!?○○の渋滞でガチンコ対決してみた』
「高速道路が渋滞したとき、高速道路をそのまま走るのと一般道を行くのではどちらが早く着くのか」という問題は、長い渋滞予測が出るお盆、年末、GWなどのお休みシーズン共通の悩み。だったら、実践しちゃえ! という体を張ったこの企画も、今回で4回目を迎えます。ワタクシ(遠藤イヅル)はこれまで2回参戦しており、“2018お盆休み【東京~静岡・さわやか編】”では高速を、“2019GW【東京〜静岡・味の終着駅編】”は下道を使って1勝1敗という戦績です。さて2019年のお盆休みはいったいどこへ?
高速 vs 一般道 INDEX
※筆者:遠藤 イヅル(高速道路編)/小鮒 康一(一般道編)]
渋滞対決 過去の記事一覧
【高速道路編その1】高速道路の渋滞予測は今年も過酷
対決はお盆休み2日目の2019年8月11日(日)。事前の渋滞予測では、東名高速は秦野中井IC(インターチェンジ)から30km、中央自動車道は相模湖ICを先頭に35km……など今年のお盆休み渋滞も熾烈で過酷。そんな中、今回の決戦コース「関越自動車道」は、東松山ICから大泉JCT(ジャンクション)まで40km!と掲載されていました。この日で一番長い渋滞です。T編集長、わざわざここを選ぶのはさすが。企画的にはナイスチョイスなのですが(号泣)。
■MOTA編集部注:ドライブの計画は
[ NEXCO東日本]など、各高速道路会社が発信する最新渋滞情報や渋滞予測などをチェックするのがおすすめです。もちろん今回のコース選択も
「【2019年お盆版】NEXCO東日本公式渋滞予報士による渋滞予報&おでかけガイド」
から、わざわざ一番混むと予測されるコースを「あえて」選択しています、あしからず・・・。
高速 vs 一般道 対決ルール
なお、この企画には下記の簡単なルールがありますので、おさらいしておきましょう。
1. 高速道路と一般道を選ぶ権利は「じゃんけん」で
2. ドライバー交代は最低1回(最近はドライバー交代がありませんが…涙)、
3. 1回以上、合計30分間休憩する
4. 法定速度で走行
5. 道順は、車載のカーナビ通りに(ルートの選択は任意)
6. 負けたチームは、勝ったチームにランチをご馳走する
目的地は“なんじゃい”・・・って何じゃい!?
朝7時、MOTA編集部がある東京・港区の青山一丁目に集合。この時間から出発というのもシビれます。だって、これから最も混む時間帯に高速へ突入していくのですから! 対決する相手は、これまたすっかりおなじみ、第2回からワタクシと同様渋滞企画の定番メンバーになってしまったフナタンこと小鮒 康一さんです。
さっそくじゃんけんをして、高速道路か下道を選びます。あっ、勝った! 普段はじゃんけんに弱いのに、この企画ではよく勝つなあ。前回は勝ってもあえて下道を選ぶ……という思い切った作戦に出ましたが、今回は素直に高速道路をチョイスです。
目的地は…「なんじゃい」です。なんじゃいって、何じゃい! ってツッコミが入りそう(笑)。知っている人は「あー、あの“なんじゃい”ね」ってお分かりかと思います。
渋滞対決 過去の記事一覧
【一般道編その1】この企画もすっかりお盆の風物詩に!?
曜日感覚のないフリーランスにとってこの企画の打診は、お盆がスタートすることを教えてくれる大切な恒例行事となりつつある。ということで昨年に引き続き、オートックワン改めMOTAのT編集長より渋滞チャレンジのお誘いを頂戴し、「ああ、お盆なんだなあ」と実感した次第である。
今回は今まで向かっていた静岡方面ではなく、北上するという話は聞いていたが、当日の朝に聞かされた目的地は群馬県富岡市の「なんじゃい」駅。全く持って鉄分のない筆者、群馬出身ということでかろうじて存在は知っているが、そこに何が待っているのか知る由もないまま出発することとなった。
わざわざ渋滞のピークに自らハマりに行こうとしている酔狂な人たち
テストを実施したのは、
NEXCO東日本公式渋滞予報士が“お盆休み中に最も下りが混む”と予報
した8月11日。わざわざ渋滞のピークに自らハマりに行こうとしているのは、日本広しと言えど我々くらいではないだろうか。
この旅のお供となったのは、今年の2月に大幅改良を受けたデリカD:5。登場した当初は「なんじゃい!」と思ったエクステリアも、半年経った今ではまあまあ見慣れてきて「悪くないかも」となってきている。従来のデリカD:5に加え、より都会的な雰囲気をもったURBAN GEAR(アーバンギア)も用意され、より幅広いユーザーをターゲットにしたオールラウンドミニバンである。ちなみに私の今回の旅の相棒は、白いデリカD:5アーバンギアとなった。群馬の風景に“アーバン”なデザインが映えるのかどうかも気になるところである。
渋滞対決 過去の記事一覧
【高速道路編その2】関越道に入って早々、所沢IC過ぎから渋滞が発生
朝7時半。いつもの定番、神宮外苑の絵画館前にある銀杏並木から2台のデリカD:5が同時に出発。2019年お盆休み版「高速道路と一般道はどっちが早く着く!?」対決がいよいよスタートしました。じゃんけんに勝ったチームにはT編集長が同乗してくれるので、道中独りじゃないのは素直にウレシイです。
対決を彩る相棒は、SUVとミニバンを融合した“唯一無二”な「デリカD:5」です。2019年2月にビッグマイナーチェンジを実施し生まれ変わったばかり。ワタクシの担当するデリカD:5はスターリングシルバーメタリック×アイガーグレーメタリックの2トーンカラーもスタイリッシュな「G-Power Package」。目的地まで導くカーナビは、高精細10.1型HDディスプレイで見やすく、ナビゲーション・オーディオ・ツール・アプリケーションの4つの多彩な機能を一画面で直接操作できる“Quad View”を持つ「DELICA D:5 オリジナル10.1型ナビゲーション」です。
高速道路チームは大画面のカーナビゲーションが示すルート、外苑から首都高速4号線へ。高井戸で一度降りて環八通りを北上、練馬ICから関越道に突入しました。時間的には大泉JCT付近から渋滞が始まっているはずなのに、クルマの台数多かれど流れはスイスイ。
しかし、お盆渋滞はそんなに甘くない。所沢ICを過ぎ、川越IC手前あたりからやはり渋滞が始まってしまいました。道路上の渋滞表示では「嵐山小川ICまで16km 60分」とのこと。40kmって聞いていたので、16kmだとラクに感じてしまいますよね。でも60分、この状態かあ……やっぱりきついです(涙)。
渋滞でもデリカD:5なら見晴らしも良くラクラク
でも、こんな時でも相棒が渋滞の大変さを緩和してくれました。デリカD:5は背が高く見晴らし抜群。ダッシュボード上端も低く抑えられ視界も良いので、渋滞の先がよく見えます。ご存知の通り、背が高いクルマだと渋滞は気持ち的にラクなのです。しかもデリカD:5には先行車の加速・減速・停止に自動追従して走行する、先進のレーダークルーズコントロールシステム「ACC」(アダプティブクルーズコントロール)を標準装備。電波式レーダーにより、先行車の加速・減速・停止に自動追従しますので、渋滞時の疲労軽減に役立ちます。もちろんACCを使用していても、常に前方を注視し、安全確認をしなければいけませんよ。また、デリカD:5は大幅な進化によって室内の静粛性が大きく向上。シートも良くなっています。これらの要素も、道中の疲労を減らしてくれました。
高速チームは、嵐山小川IC付近までのノロノロ渋滞をデリカD:5に助けられてなんとか突破。そろそろ少し休みたい……と思っても、お盆渋滞ではそれすらも厳しくてびっくりしました。通過してきた高坂SA(サービスエリア)や嵐山PA(パーキングエリア)は、入るための大渋滞が起きているような状態。中で停められるまで何分かかるんだろう、というほどでした。すんなり入れた寄居PAでようやく休憩できましたが、お盆渋滞では事前のトイレや買い物は必須だなと改めて実感しました。
渋滞対決 過去の記事一覧
【一般道編その2】じゃんけんに負けたほうは“孤独なドライブ”になる!?
出発地となったのは、こちらも毎回おなじみとなった神宮外苑のいちょう並木。連休中の早朝ということもあり、エンスージアストなクルマ好きが自慢のクラシックカーを持ち寄ってクルマ談義に花を咲かせているのを横目に、寝不足気味の我々は死んだ魚のような目で集合したのである。
今回も例によって遠藤 イヅル氏との対決となる。一方は高速道路、もう一方は一般道をメインとしてどちらが早く目的地にたどり着けるか? というシンプルな戦いだ。MOTA編集部からは、昨今の働き方改革の影響もあってかT編集長のみが参加となり、ジャンケンで負けた方はルートの選択権がないばかりか、助手席に座ってくれるパートナーもいない孤独なドライブとなる。
お、高速は大渋滞中! もしやワンチャンありかも!?
そして、当然ジャンケンでは筆者の負け。一般道を使ってのロンリードライブが決定したのである。まあ、孤独のドライブは日常茶飯事で慣れているのだが、さすがに“なんじゃい”までのルートは分からないため、デリカD:5に備えられていた10.1型という大画面の純正ナビゲーションに頼ることにした。
それによると、目的地まではおよそ130km、4時間ほどの道のりと表示され、ナビで見る限り大きな渋滞はなさそう。対する関越自動車道はかなり激しい渋滞をしている様子。お、これはもしかするとワンチャンあるかも、と淡い期待を胸に神宮外苑を出発したのだった。
渋滞対決 過去の記事一覧
【高速道路編その3】長い長い渋滞を抜け、やっとゴールが見えてきた
休憩後、藤岡JCTまでわずかに流れた後、上信越道の甘楽(かんら)PA付近まで再び15kmほどの渋滞が始まってしまいました。NEXCO東日本の予測よりも渋滞開始ポイントが遅くなりましたが、それでも事実上、川越ICあたりから、目的地の最寄り・下仁田ICまでほとんど渋滞というイメージでした……。いやはや、正直さすがにちょっと疲れました。お盆渋滞というのは、本当に甘くないのですね。
甘楽PAの渋滞を抜け下仁田ICを降りれば、ゴールの「南蛇井駅」(なんじゃいえき)はもうすぐです。え?まさかそれがゴール? そうです! なんじゃい=上信電鉄上信線の南蛇井駅が目的地だったのです! 理由は……鉄分が多いワタクシとT編集長で「距離的にちょうど良いね」ということで(それだけかい)。なお南蛇井駅は難読駅名としても知られています。
そして午前11時半、高速チームは無事、南蛇井駅に到着しました。おっ、下道チームのフナタンが乗る白いデリカD:5 アーバンギアがいません! 高速チームの勝利が決定です。やったー! 高速チームはフナタンが着くまでの間、風情ある木造駅舎や、やってくる電車を堪能です。
一般道チームを待つ間、しばし“鉄分”補給・・・
上信電鉄は地方私鉄としては珍しく自社発注の車両が多く、しかもいずれも個性が強いので見所が多い路線。車両面ではさらに西武鉄道やJRからの譲渡車両もあったりして、両数は少ないながらもバリエーションに富みいつ行っても飽きさせないのです。この日も南蛇井駅に滞在したわずかな時間に、自社発注の1000形、デハ252+クハ1301(なんと新塗装!)、元西武新101系の500形という3編成を見ることができました。とはいえ、鉄分補給的にはまだまだ全然足りないのですが(涙)。
注目のデリカD:5の燃費ですが、なんとオンボードメーターで13.4km/Lを記録。平均速度33km/hのほぼ渋滞という状態で、デリカD:5の車格と車重を考えると、この数値は立派ですよね。今回は特に燃費を意識した運転もしていません。モリモリ溢れる低速トルクを利してどんな場面でも気持ち良い加速を見せてくれるクリーンディーゼル、さすがです。パワーと燃費の両立がしっかり図られていることが改めてわかりました。
帰路の高速道路でも直進安定性、乗り心地はいずれも抜群でした。視界が良く四角い車体のため、どんな場面でも「乗りにくい」と感じることがなかったことも、記しておきたいです。
>>
【一般道編その3】普段の土日、って感じの渋滞にちょっと拍子抜け
[次ページへ続く]
渋滞対決 過去の記事一覧
【一般道編その3】普段の土日、って感じの渋滞にちょっと拍子抜け
一般道のコースだが、ルートとしては国道254号線川越街道から新大宮バイパスへ入り、国道17号を延々走って群馬入りするという、非常に分かりやすいシンプルなもの。渋滞自体も埼玉県内で何度か流れが悪くなるところがあったが、完全に止まってしまうようなものはなく、感覚的には普通の土日といった感じでちょっと拍子抜けですらあった。
それだけに渋滞シーンを撮影することもできず(だって孤独だから…高速チームは写真が多くていいですね…)、淡々と130kmを走破してしまった。
道中で困ったことは、コンビニでトイレ休憩をしようと思ったときに限って左側にコンビニがなく、反対車線側にばかりコンビニが登場する……
っていうくらい、ホントに何のドラマもなく粛々とドライブ出来たのだった。
遅れること40分、でもほぼストレスなくドライブ出来た
結局到着はお昼の12時を少し回ったくらいであり、ナビの当初の到着予定時刻とのズレは30分ほど。残念ながら高速道路チームの方が40分ほど先に到着していたが、ほぼノンストレスで走りきれた一般道の方が精神的な負担は少なかった。
実際、メーター上のアベレージスピードは30km/hと高速道路チームと大差なく、燃費の数値では13.8km/Lと一般道の方が上回っていたため、コスト面も含めると一般道も悪くないな、というのが今回の結果である。
渋滞対決 過去の記事一覧
渋滞企画の密かなお楽しみ、名物ランチタイム! ふたりの感想は?
南蛇井駅を後にして、お昼ご飯は激シブな食堂「ドライブイン 道(みち)」。今回の勝負、高速vs一般道は我々高速チームが勝ったので、フナタンご馳走してー。うふふ。
揚げ物好きなワタクシは、ミックスフライ定食(800円)をいただきました。メニューはどれもリーズナブルでボリュームも多く美味で大満足。老夫婦が作ってくれる優しい味に感激でした。なんでも開店以来40年以上経つとのこと。これからも頑張ってくださいね!([遠藤)
いっぽう敗者、フナタンは・・・
到着後、どこからどう見ても老舗感溢れるドライブインで昼食をとった(くそー自腹かー)。
定食を頼んだ2人に対し、チャーハン好きとしてあえてチャーハンにチャレンジしたが……。ちょっといただいたおふたりの定食は激ウマだったので、こちらではルートの選択をミスしたというキレイなオチが付いた今回の渋滞対決であった。(小鮒)
【まとめ】高速チームは「勝負に勝って試合に負けた」感
今回高速チームが勝ったことで、これまでの戦いは、【第1回:下道】【第2回:高速】【第3回:高速】【第4回:高速】で、高速道路の3勝1敗に。距離や道路、走る時刻などいろいろな条件があるとは思いますが、一般的にはやはり、渋滞していても高速道路の方が早い、という結論が出るのかもしれません。
しかし、一概にそういえないのが、高速道路vs下道の面白さと奥深さ。というのも、フナタンは我々の40分後にゴールしたのですが、下道チームは渋滞もさほどなく、淡々と距離をこなしてやってきたので、フナタンは結構元気なのです。えー、高速チームはヘトヘトなんですが……(笑)。しかも(たった)40分差で、高速料金はゼロ。うーん、今回はなんだか気持ち的には負けた気分です。トホホ。
下道も混んでいて、山道をクネクネ進む距離が多い前回の東名高速編と違って、広い関東平野をどんどん進んでいく関越道 vs 下道決戦ではこれまでとはまた違う印象になりました。この企画、やっている本人ですらいろいろな結果が出て面白いなあと思います。
またこの企画のルールは「高速道路に乗るか乗らないか」の二択でしたが、実際には「混んでいる高速道路区間だけ下道を走る」というケースも考えられ、また変わった結果になったのかもしれません。車載ナビやスマホのルート検索などを有効活用して、楽しく安全なドライブを楽しみましょう。
と、次は年末? それとも来年のGWでしょうか。正直、とってもつらい企画ですが、つらければつらいほど燃え上がるライター魂!? 次はそろそろあの高速かな……。どうぞお楽しみに!
[筆者:遠藤 イヅル]