抜群の育成力を誇るエスパニョールのサマーキャンプ東京クールに潜入!

8/6(火)~9(金)の4日間、スペイン1部リーグのRCDエスパニョールジャパンアカデミー主催のエスパニョールサマーキャンプ2019が東京江東区で開催された。 育成に定評のあるエスパニョールのメソッドに迫る!

現地からカンテラコーチが来日!MVPはカンテラの受験資格も!

RCDエスパニョールジャパンアカデミー主催のサマーキャンプが8/6(火)~9(金)の日程で東京で開催された。RCDエスパニョールといえば、アンドレス・イニエスタの親友ダニエル・ハルケ(2009年に急死)やルイス・ガルシア、日本人では中村俊輔などが所属経験のあるクラブだ。

初日の6日、35度近い灼熱の暑さの中、35人を超える選手が開催場所のフットサル台場に集まった。

2019年のエスパニョールキャンプは埼玉、東京、山形と3つの都道府県で開催され、各クールの優秀選手と全クールの中から選ばれたMVPの選手がスペインに渡る権利を獲得できる。

そして、今年からMVPを獲得した選手はエスパニョールのカンテラの受験資格が

与えられるのが、昨年と大きく異なる点となっている。スペインへの渡航はキャンプ主催でエスパニョールジャパン東京台場校を運営する株式会社トゥエレスバリエンテ(代表取締役 志村一氏)のサポートのもと2020年の春に行われる。

東京クールの優秀選手には6名が選出!

東京クールの優秀選手には以下、6名の選手が選出された。

・安達一平君

・小林優真君

・内川陽向君

・藤田裕人君

・今井一秀君

・米川祐輝君

一緒に参加している選手達と初対面という難しい状況の中、それぞれが持ち味を発揮し、見事優秀選手に選ばれた。なお、米川祐輝君は昨年に引き続き2年連続で優秀選手に選出されている。

優秀選手インタビュー

優秀選手に選出された藤田裕人君

昨年に引き続き2年連続で優秀選手に選出された米川祐輝君

優秀選手を獲得した小林優馬君

今回選出された優秀選手達に話を聞いた。

藤田裕人君(小学6年生)

golaco:「優秀選手に選ばれた感想をお聞かせ下さい」

裕人君「とても嬉しいです」

golaco:「スペインに行ったら何を学びたいですか?」

裕人君「サッカーとスペイン語を上達したいです」

golaco:「プレーの面でもっと成長したい点はありますか?」

裕人君:「もっとスペースへのパス精度を上げることです」

golaco:「ポジションと得意なプレーを教えて下さい」

裕人君:「フォワードです。得意なプレーはミドルシュートとスルーパスです」

golaco:「ありがとうございました」

米川祐輝君(小学3年生)

golaco:「優秀選手に選ばれた感想をお聞かせ下さい」

祐輝君「とても嬉しいです」

golaco:「もしMVPに選ばれスペインに行けたら何を学びたいですか?」

祐輝君「ドリブルを磨きたいです。あとはスペイン語を上達したいです」

golaco:「ポジションと得意なプレーを教えて下さい」

祐輝君「ポジションはボランチで得意なプレーはドリブルです」

golaco:「ありがとうございました」

小林優真君(小学4年生)

golaco:「優秀選手に選ばれた感想をお聞かせ下さい」

優真君「キャンプでは次に繋がるプレーをすることを意識してやっていたので、結果に繋がって良かったです」

golaco:「もしMVPに選ばれスペインに行けたら何を学びたいですか?」

優馬君「カンテラの選手に負けず、習ってきたことを全て発揮したいです」

golaco:「好きな選手を教えて下さい」

優馬君「メッシ選手です」

golaco:「得意なプレーを教えて下さい」

優馬君「相手を引きつけて味方にパスを出すことです」

golaco:「ありがとうございました」

参加選手インタビュー

昨年のキャンプでMVPを獲得した武内優介君と他社開催の様々なキャンプでMVPに選出され、今回のキャンプでも目立ったプレーを見せていた伊勢岡海斗君の2人に話を聞いた。

武内優介君(小学6年生)

golaco:「去年、MVPを取ってスペインに行ってますよね。スペインのサッカーはどうでしたか?」

優介君:「スペインサッカーが好きなので、とても楽しかったです。レベルも高くて良い経験に

なりました。」

golaco:「今年キャンプを終えての感想をお聞かせ下さい」

優介君「コーチが選手に求めるレベルが高く、学年も下の選手しかいないので去年より難しかったです。」

golaco:「キャンプで意識して取り組んだことは何ですか?」

優介君「ボールをもらう時の体の向きやコーチングなどのサポート意識を心がけました」

golaco:「今後所属したいチームはありますか?」

優介君「将来スペインでプレーしたいので、スペインサッカーの哲学があるチームに所属したいです。Jリーグなら今のヴィッセル神戸に所属したいです」

golaco:「ありがとうございました」

伊勢岡海斗君(小学4年生)

golaco:「キャンプに参加した感想をお願いします」

海斗君「自分が通うスクールとは練習や指導が違いました」

golaco:「日本の指導とはどう違いますか?」

海斗君「日本の指導者はドリブルを褒めるが、スペインのコーチはボールの運び方や良い狙いに対して褒めてくれました」

golaco:「ポジションと好きな選手を教えてください」

海斗君「ポジションはトップ下で好きな選手はロベルト・バッジョです」

golaco:「得意なプレーは何ですか?」

海斗君「ドリブルを活かしてのパスです」

golaco:「ありがとうございました」

来日した2人のエスパニョールカンテラコーチにインタビュー

今回のキャンプのために来日したセルヒオコーチとアルベルトコーチに話を聞いた。

golaco:今回のキャンプの感想を教えてください。

セルヒオコーチ「子供たちがとても一生懸命話を聞き、プレーしてくれたのでとても良いキャンプになったと思います。子供たちの技術も高く、良いプレーも多かったです。」

golaco:「日本人とスペイン人の子供たちのサッカーでの違いはありますか?」

アルベルトコーチ:日本人の子供たちはリフティングやドリブルの技術はとても高いと思います。リフティングもマーカーを使ったドリブルもスペイン人よりも上手いと思います。ただ、実戦形式の練習が少なくて試合になると生かせなかったりしていることが多いと思います。日本にもいい指導者はたくさんいると思いますが、日本の指導はスペインの指導に比べて、伝えていることや練習方法の幅が狭いと思いました。」

golaco:「日本がワールドカップで優勝できる国になるために何が必要だと思いますか?」

アルベルトコーチ:日本の子供たちの技術が高いのは間違いないと思います。さっきも話したようにリフティングもドリブルもスペイン人よりはうまいです。ただ、実戦形式の練習が少なかったり、試合数も少なくて、上手く持ってる技術を生かせてないと思います。指導が狭いので、指導者も変わっていけばもっと変わっていくと思います。」

golaco:「貴重なお話をありがとうございました」

最終日には長谷川太郎氏によるストライカークリニックも開催!

キャンプ最終日には、元J2日本人得点王でgolacoでも過去にインタビューをした長谷川太郎氏によるストライカークリニックが開催された。同氏はプロサッカー選手を引退後、一般社団法人TREを立ち上げ、首都圏でのストライカーアカデミーや全国でストライカークリニックを開催している。

今回のクリニックはキャンプのトレーニング前の60分を使い、シュートに行くまでのドリブルの持ち出しとシュートをテーマに行われた。長谷川氏の指導によって、子供たちのドリブルでの持ち出しやシュートのタイミング、精度が徐々に良くなっていくのが分かり、とても具体的で分かりやすい

指導の印象を受けた。

長谷川氏インタビュー

golaco:「クリニックを終えての感想をお聞かせ下さい」

長谷川氏「選手の集中力が高く、テンポ良く指導ができました」「具体的にはドリブルの軸足の置く位置が上手でした」

golaco:「重点を置いて指導したことは何ですか?」

長谷川氏「シュートコースを作る動きを指導させてもらいました。選手も意識して取り組んでくれたので良かったです」「他にはシュートを打つ時の体の向きや相手との駆け引き、シュートのタイミングを伝えました。」

golaco:「選手に伸ばしてほしい点はありますか?」

長谷川氏「ドリブルやシュートの際に、足をどこに置くかを自分で見つけてほしいです」良いシュートを打つ為に身体全身を使ってシュートを打てるようになると良いと思います」「あとは怪我防止の為に余分な力を入れずにプレーできるようにになってほしいです。」

golaco:「ありがとうございました」

取材を終えて

今回のキャンプでは体の向きや数的有利、不利、ポジショニングなど試合中を想定してのトレーニングが多く行われた。スペイン人コーチ達と日本人のコーチ達による具体的で的確な指導は筆者の私にとっても多くの学びや発見があった。スペインでは大学の教授などがサッカーはもちろん、スポーツ科学など様々な研究を行い、それが現場での指導に生かされているという。

参加者には昨年からのリピーターも複数いることからもエスパニョールの指導の質の良さとコーチ陣の指導力が高いことが分かるだろう。レアル・マドリードやFCバルセロナに勝る育成力を誇る

エスパニョールアカデミーの今後に期待したい。

© 株式会社愛幸