絆つなぐ日本酒カステラ 復興支援へ「興こし酒プロジェクト」 雲仙・千鶏カステラ本舗コラボ

日本酒カステラ「絆舞 令和」を披露する山下社長(左)ら=雲仙市、千々石観光センター

 全国のコメで日本酒をつくる「興(お)こし酒プロジェクト」の一環で、酒かすを利用した日本酒カステラ「絆舞(きずなまい) 令和」の完成披露会が17日、製造元が運営する長崎県雲仙市千々石町の千々石観光センターであった。
 同プロジェクトは、東日本大震災や熊本地震の被災地支援を目的に、全国の信用金庫でつくる実行委が2年前から始めた。初年は福島県の酒造で被災4県のコメをブレンドした日本酒「絆舞」を製造。支援の輪は広がり、昨年は47都道府県のコメ約50種が集結。今年はさらに拡大して123種が集まった。新元号にちなんで名称に「令和」を加えた。
 実行委は、醸造工程で発生した酒かすを使った商品開発ができないか模索。信金が毎年開催するビジネスマッチング「よい仕事おこしフェア」を通じて、同センターを運営する千鶏カステラ本舗(山下直喜社長)とのコラボが実現した。
 完成披露会には全国の信金関係者ら約30人が出席。たちばな信用金庫の塚元哲也理事長が「全国のつながりに感謝。長崎と福島の連携を強化して、日本を明るく元気にしたい」とあいさつ。「絆舞」の焼き印が押されたカステラが披露され、山下社長は「芳醇(ほうじゅん)な香りとしっとりした食感が特徴。多くの人に味わってもらい、絆を強めて復興の一助になれば」と話した。
 米粉を使ったカステラも合わせて製造。2商品は10月に東京である同フェアを皮切りに、同センターなどで販売する。

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