<岩手知事選>業界団体で相次ぐ自主投票 与党の「集票マシン」態度一変、現新の板挟みで模様眺め

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盛岡市にある岩手県医師会のビル。業界団体は相次いで知事選での自主投票を決めている

 任期満了に伴う岩手県知事選(22日告示、9月8日投開票)で、県内の主要業界団体が相次いで自主投票の方針を打ち出している。7月の参院選で旗幟(きし)鮮明だった政権与党の「集票マシン」は態度を一変。野党4党が推薦する現職達増拓也氏(55)と自民党が擁立した新人及川敦氏(52)の板挟みで、模様眺めに徹する選挙戦となりそうだ。

 「私たちの活動に理解が深く、関係は決して悪くない。だが、参院選で目立ち過ぎた」。県医師会の政治団体・県医師連盟の小原紀彰委員長が、達増氏への複雑な思いを漏らした。

 達増氏は参院選岩手選挙区で野党統一候補の横沢高徳氏を全面支援し、初当選に導いた立役者だ。自民党の平野達男氏を推薦した県医師連盟は、敗軍にくみする憂き目に遭った。

 達増氏の政治スタンスは苦々しいばかり。だが、自民党擁立の及川氏も「新人だから行政能力はよく分からない」(小原委員長)。結局、県医師連盟は3日、知事選は自主投票という判断に落ち着いた。

 農協グループの県農協政治連盟も6日、自主投票を決めた。岩手選挙区で敗北を喫した上、自民党の比例代表に立てた農協系候補が得票を減らした「後遺症」という。

 幹部は「以前のように大きな選挙で組織力を発揮できなくなっている。知事選へのスタンス以前に農政連として立て直しが必要だ」と自問。一方で「達増氏とは農畜産物のトップセールスに力を入れてもらっている良好な関係を保ちたい」と漏らす。

 県建設業協会は9日に自主投票を決めた。ある建設会社役員は「県の工事を請け負う立場。達増氏との関係を重視する会社は少なくない」と話す。

 相次いで自民党から離反しているように思える業界団体。及川氏の陣営幹部は「残念だが、現職に推薦を取られるよりはましだ。現職と五分とみてもらえているということ。悲観する必要はない」と強気の姿勢を貫く。

 参院選で会長が平野氏の選対総括責任者に就いた県漁業協同組合連合会は、知事選の告示直前に態度表明する予定だ。