終戦から74年目の夏に、戦後の"ねじれ"を訴えつづけた文芸評論家・加藤典洋を巡るドキュメンタリー番組、本日放送!

「加藤さんが書いた問いに、 私たちは答えていく責任がある」(上野)

TOKYO FMでは、 8月18日(日)19時から、 今年5月に逝去した文芸評論家・加藤典洋の足跡に焦点を当てた特別番組『ねじれちまった悲しみに』が放送される。

2019年5月に亡くなった思想家・文芸評論家の加藤典洋。 『敗戦後論』『アメリカの影』などで、 平和主義を唱えながらも世界で戦争を続ける米国に従属する戦後日本の「ねじれ」を指摘し続けてきた加藤の、 最後の著作となったのが今年4月に刊行された『9条入門』。 戦後日本の「ねじれ」の原点でもある日本国憲法第9条の誕生について書かれたこの本をもち、 作家・小川哲が加藤典洋を巡る旅に出る。

参議院選挙を経て、 憲法改正の国民投票も現実化してきた2019年の夏。 長年加藤典洋が指摘してきた様々な「ねじれ」について、 参院選の街頭演説、 8月15日(木)の靖国神社などの東京の街風景を歩きながら小川哲が考える。

小川と対話するのは、 加藤典洋をリスペクトし、 今年4月に行われた東京大学入学式の祝辞が大きな話題を呼んだ社会学者で東京大学名誉教授・上野千鶴子。 加藤とは同学年でもあり、 同時代の論客としての加藤典洋やその主張について、 そして自身もテーマとして取り組んだことのある日本国憲法について、 憲法の改正が争点にもなった参院選後の現代日本とこれからについて、 幅広く語った。

そして、 もう1人の対談相手は、 日本文学研究者で、 加藤典洋が書いた村上春樹評論の英訳も担当しているマイケル・エメリック。 アメリカにおける加藤典洋の評価や、 冷徹な分析ではない加藤の思想が持つあたたかみについて話す。 また、 文芸評論家としての側面だけではなく、 早稲田大学国際教養学部の教授時代に受け持っていたゼミ生から見た、 加藤典洋教授の面にも注目。 番組のストーリーテラーは女優で日本舞踏家の藤間爽子が担当。

8月15日(木)に74回目の終戦の日を迎えた戦後日本に必要なまなざしの「ねじれ」を説いた加藤典洋の思いと、 それを受けた人たちの声でお送りする、 ひと夏のドキュメンタリーを、 8月18日、お届けする。

『ねじれちまった悲しみに』

◆放送日時: 2019年8月18日(日)19:00~19:55 TOKYO FM・FM長野・Hi-Six(エフエム高知)

Rhythm Station(エフエム高知)では同日20:00~20:55

◆放送局:TOKYO FM、 Rhythm Station(エフエム山形)、 FM長野、 Hi-Six(エフエム高知)

◆出演: 小川哲 マイケル・エメリック 上野千鶴子 長瀬海 藤岡泰弘

◆語り: 藤間爽子

◆番組HP: https://www.tfm.co.jp/nejire/

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