ヤクルト村上宗隆が“出世頭” 高卒2年目「清宮世代」の今

ヤクルト・村上、日本ハム・清宮、オリックス・西浦(左から)【写真:荒川祐史】

1年目に7本塁打の清宮は伸び悩み?

 ヤクルトの村上宗隆は8月18日の中日戦で2本塁打3打点、再び打点王争いのトップに立った。

 村上は2017年秋のドラフトで入団した高卒2年目。一般的には「清宮世代」と呼ばれる。この世代のプロ野球選手の「今」を俯瞰しよう。

 1999年4月2日から2000年4月1日生まれのプロ野球選手。2017年のドラフト順。成績は1軍での通算成績(8月18日時点)。守備位置は入団時。

○西武
2位 西川愛也/外(花咲徳栄) 1軍出場なし
4位 平良海馬/投(八重山商工) 10試合 0勝 1敗 0セーブ  11回2/3 13三振 防御率5.40
6位 綱島龍生/内(糸魚川白嶺) 1軍出場なし
育1位 高木渉/外(真颯館) 1試合 1打 0安 0本 0点 0盗 率.000

 ドラフト2位の平良が救援で投げている。育成で入団した高木渉は支配下登録され、1試合だが1軍の試合に出場している。

○ソフトバンク
1位 吉住晴斗/投(鶴岡東) 1軍出場なし
3位 増田珠/外(横浜) 1軍出場なし
5位 田浦文丸/投(秀岳館) 7試合 0勝 0敗 0セーブ 10回 6三振 防御率3.60
育1位 尾形崇斗/投(学法石川) 1軍出場なし
育3位 砂川リチャード/内(沖縄尚学) 1軍出場なし
育5位 日暮矢麻人/外(立花学園) 1軍出場なし

層の厚いソフトバンクだが、5位の田浦が救援で7試合に登板している。

○日本ハム
1位 清宮幸太郎/内(早稲田実業) 105試合 304打数 58安 10本 37点 0盗 率.191
3位 田中瑛斗/投(柳ヶ浦) 1軍出場なし
4位 難波侑平/内(創志学園) 1軍出場なし
5位 北浦竜次/投(白鴎大足利) 2試合 1勝 0敗 0セーブ 1HD  2回2/3 1三振 防御率3.38

 清宮は1年目に7本塁打。大器の片鱗を見せたが、2年目はまだ3本塁打。打率も低下して伸び悩んでいる印象。

○オリックス
4位 本田仁海/投(星槎国際湘南) 1軍出場なし
6位 西浦颯大/外(明徳義塾) 55試合 159打数 32安 1本 12点 8盗 率.201
7位 廣澤伸哉/内(大分商) 1軍出場なし
育1位 稲富宏樹/捕(三田松聖) 1軍出場なし
育2位 東晃平/投(神戸弘陵) 1軍出場なし
育3位 比屋根彰人/内(飛龍高) 1軍出場なし
育4位 フェリペ/捕手(御殿場西) 1軍出場なし

 ドラフト6位の西浦は俊足を買われ、一時は上位を打った。8盗塁しているが打撃はまだ物足りない。

○ロッテ
1位 安田尚憲/内(履正社) 17試合 53打数 8安 1本 7点 0盗 率.151
育2位 森遼大朗/投(都城商) 1軍出場なし

 昨年の台湾ウインターリーグではヤクルト村上とともにオールイースタンの中軸を打った安田だが、今季は1軍でプレーしていない。

○楽天
6位 西巻賢二/内(仙台育英) 27試合 78打数 19安 0本 3点 0盗 率.244
育2位 松本京志郎/内(光南) 1軍出場なし

 西巻は1年目の8月8日に初打席初安打。以降も守備固め中心に起用されている。

投手陣の中では広島遠藤が健闘

○広島
1位 中村奨成/捕(広陵) 1軍出場なし
2位 山口翔/投(熊本工) 8試合 1勝 2敗 0セーブ 0HD 24回 18三振 防御率4.13
4位 永井敦士/外(二松學舍大附) 1軍出場なし
5位 遠藤淳志/投(霞ケ浦) 25試合 0勝 0敗 0セーブ 5HD 33回2/3 33三振 防御率2.67
育1位 岡林飛翔/投(菰野) 1軍出場なし
育2位 藤井黎來/投(大曲工) 1軍出場なし
育3位 佐々木健/投手(小笠) 1軍出場なし

 夏の甲子園で1大会最多本塁打記録を更新した中村だが、プロ入り後は故障に泣かされて出遅れている。2位の山口は5月30日のヤクルト戦で先発し、7回無失点。短期間ながらローテを維持した。今年6月7日に1軍デビューした5位の遠藤は中継ぎとして定着し、5ホールドを挙げている。

○ヤクルト
1位 村上宗隆/捕(九州学院) 118試合 416打数 97安 29本 85点 3盗 率.233
5位 金久保優斗/投(東海大市原望洋) 1軍出場なし

 村上は入団時は捕手だった。今季は一塁、三塁を守り、中軸打者として活躍している。

○巨人
8位 湯浅大/内(健大高崎) 1軍出場なし
育1位 比嘉賢伸/内(盛岡大附) 1軍出場なし
育2位 山上信吾/投(常磐) 1軍出場なし
育4位 田中優大/投(羽黒) 1軍出場なし
育7位 折下光輝/投(新野) 1軍出場なし
育8位 荒井颯太/外(関根学園) 1軍出場なし

 ソフトバンクとともに3軍まである巨人では、まだ1軍出場した選手はいない。

○DeNA
3位 阪口皓亮/投(北海) 3試合 0勝 1敗 0セーブ 0HD 7回2/3 4三振 防御率5.87
5位 櫻井周斗/投(日大三) 12試合 0勝 0敗 0セーブ 1HD 14回1/3 14三振 防御率5.65
育1位 中川虎大/投(箕島) 1試合 0勝 1敗 0セーブ 0HD 2回 1三振 防御率4.50

 巨人と対照的にDeNAは3人とも1軍デビューを果たしている。ただし、まだ定着したといえる選手はいない。

○中日
2位 石川翔/投(青藍泰斗) 1試合 0勝 0敗 0セーブ 1HD 1回 0三振 防御率0.00
3位 高松渡/内(滝川第二) 1軍出場なし
4位 清水達也/投(花咲徳栄) 10試合 2勝 2敗 0セーブ 0HD 37回1/3 26三振 防御率4.58
5位 伊藤康祐/外(中京大中京) 14試合 32打数 6安 0本 1点 0盗  率.188
6位 山本拓実/投(市立西宮) 4試合 1勝 2敗 0セーブ 0HD 19回 12三振 防御率3.79

 5人のうち4人が1軍デビュー。6位の山本は7月24日から3試合で先発したがQSは1試合だけだった。

○阪神
6位 牧丈一郎/投(啓新) 1軍出場なし
2018年6位 湯浅京己/投(聖光学院-BC・富山) 1軍出場なし

 1軍出場はなし。湯浅はこの世代ではただ1人、高校-独立リーグを経て昨年秋のドラフトで入団した。

 1軍で戦力になっているのはヤクルトの村上と、広島の遠藤。続いて清宮というところ。まだキャリアは始まったばかりだが、彼らの出世レースはどうなるだろうか?(広尾晃 / Koh Hiroo)

© 株式会社Creative2