釜山-厳原航路が全運休 日韓関係悪化で利用客減

19日から釜山-厳原航路の全便が運休となった厳原港のターミナルビル=対馬市厳原町

 日韓関係の悪化に伴う利用客減少を受け、日韓の3社が運航してきた韓国釜山(プサン)港-厳原港(対馬市厳原町)航路が、19日から全便運休する。厳原町の商工関係者からは運休長期化による島内経済への影響を懸念する声が上がっている。
 釜山港発着のチャーター便としてフェリーを随時運航してきた「対伸」(厳原町)は、「(韓国向け輸出規制を日本政府が強化した7月4日以降)予約取り消しが相次いだ」として、7月8日から運休。週に2日、ジェットフォイルを定期運航してきた「未来高速」(釜山市)はホームページで8月16日から9月30日までの運休を告知した。週に4日、高速船を定期運航してきた「大亜高速海運」(韓国浦項(ポハン)市)も「個人・団体客減少のため」8月19日から同31日まで運休する。日本側代理店は「(前年同期比で)7月は3割減、8月は6割減で推移している。半月ごとに状況を見て運航計画を判断しており、現時点で再開時期は未定」としている。
 厳原港ターミナル内で土産物などを販売している50代女性は「ターミナル内の韓国人客数は昨年の同じ時期より8~9割減。ホテルや免税品店はもっと大変」と明かす。厳原町でホテルを経営する対馬観光物産協会会長の江口栄さん(64)は「運休が長期化すると、飲食など多業種に影響が広がるだろう。日本本土からの国内客運賃は、韓国からの運賃より格段に高い。航空便も含めた補助を国に要請していくことも必要になるのではないか」と話した。
 対馬北部の比田勝港(対馬市上対馬町)では、18日時点で日韓の3社が釜山港との間で8、9月も運航する予定。

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