第2回 朝から晩まで凝縮のカンヌ5日間

©株式会社博展

想像してほしい。2020年6月中旬、あなたは羽田か成田かその他いずれかの国際空港で搭乗手続きをしている。目的地は、そうカンヌ。あなたを乗せた飛行機は、梅雨雲を振り払い、トランジットを経てニース空港へ……。

レポート第1回のテーマは、「カンヌライオンズが多くの人を惹きつける理由」だった。クリエイティビティは、いまや様々な領域に関係する合言葉。サステナブルな領域も、また然り。そこで今回のテーマは、ずばり「カンヌに行きましょう!」。サステナビリティの領域に関わる皆さんに、ぜひ来年はカンヌライオンズに参加して欲しい。そして現地での議論に、皆さんのお考えを掛け合わせて頂きたい。しかしながら、カンヌは費用も含めて正直ハードルが高い。そこで、皆さんが稟議を起こす際に役立ちそうな情報をお届けします!

開催期間:5日間 

2020年の会期はすでに発表されていて、6月22日(月)から26日(金)まで。日本から参加する場合は21日(日)に出国して28日(日)に帰国するイメージ。さぁ、まず来年のカレンダーを開いてこの丸1週間を「Cannes Lions(仮)」と埋めてしまおう。

会場:パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ 

会場は国際映画祭と同一で、メイン会場とビーチ沿いのブースエリアで構成される。メイン会場には定員2000名超の大型ホールや小会議場、広大な展示スペースがあり、ビーチ沿いにはスポンサー企業が個性豊かなブースを展開。メイン会場の面積は東京国際フォーラムと同じ程度。形状はまったく違うが、複数のホールを持ち、地下に展示スペースがある点は機能的にも似ている。コンパクトなサイズの会場内に1万人以上の来場者が行き交う。来年はあなたもその中の一人です。

公式コンテンツ:300コマ以上 

2019年のプログラムに掲載されているのは5日間で合計341コマ。30~45分のコマが多い。日程的な内訳はDay1:69、Day2:82、Day3:69、Day4:79、Day5:42。内容的には「作品」「セミナー」「企業ブース」「その他」と大別できる。会期5日間の前半はセミナーや企業ブースをまわり、セミナーの少ない最終日に集中して作品閲覧するのがオススメ。

応募「作品」数:合計3万点以上 

カンヌライオンズはクリエイティビティを評価する場であり、世界中から魅力的な取り組みが「作品」として応募される。3万点以上の作品を自由に閲覧でき、上位入賞の授賞式にも参加可能。授賞式は世界の反応を感じる機会でもある。スタンディングオベーションが起こる作品もあれば、逆にグランプリでも会場の反応が薄い作品も。この体感が現地に行く醍醐味。また審査員が作品を解説し、直接質問もできる機会が増加。これも現地ならではのプログラムだ。

「セミナー」と「企業ブース」 

10年ほど前のカンヌライオンズにはブーイング文化があった。映像作品を観ていて、面白くないとあからさまに大きなため息や口笛で“No!”の意思表示をしてきた。最近ブーイングは見かけないが、セミナーへの態度はこれに代わるものを感じる。少しでも退屈だと席を立たれてしまうのだ。セミナーは、著名人が大ホールに登壇するタイプから、小部屋でのワークショップ形式まで様々だが、いずれも短い時間にメッセージがハッキリしている。聴衆のレベルが高い。かつプログラムが重複しているため、意味がなければ途中からでも別の時間の使い方を選べる。まるで情報があふれる現代の縮図。結果的にカンヌでは簡潔で強い主張のセミナーを数多く受けられる。情報てんこ盛りの状態に疲れたら、企業ブースで無料提供されるランチを楽しむのも有意義な時間の使い方のひとつだ。

「その他」 

作品やセミナー以外に、参加者をつなぐプログラムが用意されている。朝からビーチでヨガ。夕方にはビールが振舞われてコネクションをつくることができ、夜はビーチパーティが開催される。ただし、英語が堪能でパーティ馴れしている方向け。それ以外の方は、日本人向けの非公式プログラムが豊富なので、ご活用いただきたい。例年、日本人の参加者は400〜500名程度。色々な方と知り合える日本人のみを対象とした休憩所、勉強会、パーティが連日開催されている。この情報は現地でも入手可能だ。注意すべきは持っていく名刺のストック数。カンヌに行く際は、名刺100枚では不足だ。少なくとも300枚はあった方が良い。

フェスティバルチケット費用:€3,365(旅費等別途) 

最後に費用について。会場に入るにはチケットが必要で、上記の金額は最もポピュラーなチケット「COMPLETE PASS」の価格。これ以外にもちろん旅費や宿泊費がいる。正直、決して安くはない。だがカンヌライオンズで得られるものは少なくない。世界のクリエイティビティを学び、参加者の反応を感じ取り、様々な意見を聞き、人とつながれる場である。例えばここにはCSRやサステナビリティの取り組みをもっとコミュニケーション型にするためのヒントも詰まっている。今回のテーマは「カンヌに行きましょう!」。来年、日本からの参加者がさらに多様になれば幸いである。

有名なレッドカーペットの上は巨大なサイネージになっている。最終日に掲示されるメッセージを第2回の締めの言葉としたい。“See You Next Year”!!

第3回では、SDGs部門を中心に作品のご紹介をします。