ホームドクター 573

埼玉県越谷市 広報こしがやお知らせ版 令和元年8月号

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■バセドウ病ってどんな病気?
バセドウ病は甲状腺の病気です。甲状腺は首の正面真ん中からやや下よりにある20グラム程度の小さな臓器です。甲状腺ホルモンを放出し全身の代謝を促進させたり、脈を速くさせたり、胎児や小児の正常な成長・発達を促す働きがあります。
甲状腺ホルモンは、多くても少なくても問題があります。今回は甲状腺ホルモンの分泌が多い場合(甲状腺機能亢進症(こうしんしょう))の疾患で最も多いバセドウ病の解説をします。
症状は甲状腺腫大、頻脈、眼球突出などが特徴的な症状ですが、その他に発汗過多、体重減少、手の震え、疲労感などさまざまな症状が現れる疾患です。原因は抗体(TSH受容体抗体)が甲状腺を刺激することによって起こると考えられています。
採血で抗体の検査をすることによって99%のバセドウ病は診断がつきますが、そのほか、超音波検査で甲状腺の大きさや血流などの測定も行い状態を確認します。それでも判断がつかない場合は、ヨウ素内服またはテクネシウム注射をして甲状腺のそれぞれの摂取率を測定することで診断を行います。
甲状腺ホルモンを低下させる方法には大きく分けて3つの方法があります。
抗甲状腺薬を内服する方法、手術による甲状腺の全摘および亜全摘術、放射線ヨウ素を使ったアイソトープ療法です。その中で最も一般的な抗甲状腺薬の内服について解説します。
一般的には、チアマゾールまたはプロピルチオウラシルで治療を行います。内服の開始から徐々に症状は改善していきますが、実感するまで2週間程度かかります。
多くの場合は2カ月程度で症状が改善していきますが、ここで大切なのは、薬を自己判断で中止しないことです。非常に再燃しやすい病気なので、途中で治療をやめてしまうと、元の状態に戻ってしまいます。採血で状態を確認して徐々に薬の減量をします。
どのような薬を使っても副作用がでることはありますが、抗甲状腺薬で最も気をつけたいのが無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう)です。免疫を担当する白血球が少なくなってしまい、通常は感染しないような弱いウイルスや細菌に簡単に感染してしまいます。38度以上の発熱などがある場合は、すぐかかりつけの先生に相談して病院を受診してください。

越谷市医師会
まつもと内科
松本 和久(まつもと かずひさ)
【電話】048-970-4976