日産、福島県浜通りに新たな「e-シェアモビ」拠点を開設
日産は、福島県浜通り地域に新たな「e-シェアモビ」の拠点、大熊町ステーション（福島県双葉郡大熊町）を開設したと2019年8月9日に発表した。
カーシェアリングサービス「NISSAN e-シェアモビ」は、公益財団法人 福島イノベーション・コースト構想推進機構の「福島イノベ交通ネットワーク実証事業業務」のプロジェクト「はまモビ」の受託に伴い、昨年12月18日より福島県浜通り地域等での実証実験としての運用を開始している。浪江、富岡、小高に続き「はまモビ」として4つ目の開設となる大熊町ステーションには、「日産リーフ」1台が配備される。
ようやく避難指示が解除された大熊町
大熊町は東日本大震災後、福島第一原発事故の影響により区全域に避難指示が出されていたが、今年4月に帰還困難区域を除き、避難指示が解除された。
今回のe-シェアモビは、大熊町住民の新たな移動手段のほか、今年4月に開庁した大熊町新庁舎への来訪者の交通手段として提供される。
今なお交通が不便な場所に新たなネットワークを
福島イノベーション・コースト構想（以下、「福島イノベ構想」）は、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の復興・再生、新たな産業基盤の構築を目指して取り組まれている国家プロジェクトである。
この地域には今もなお公共の交通インフラが不十分な場所が存在している。今回の実証事業は、福島イノベ構想に関連する施設・拠点間や常磐線不通区間を結ぶ新しい交通ネットワークを形成するとともに、地域産業の集積と交流人口の拡大・推進を目的として実施する。
日産は、本実証事業を通じて福島県でのカーシェアリングの導入効果や事業採算性、今後の持続的な実現に向けて課題と対策を整理し、福島イノベ構想へ提案するとしている。
福島復興に向けた取り組み
また日産はこれまでにも、福島県双葉郡の8つの町村への多目的小型商用車「NV200バネット」の寄贈、いわき市や広野町、楢葉町、浪江町における従業員ボランティア活動の実施、浪江町での電気自動車の使用済みバッテリー再製品化専用工場（フォーアールエナジー株式会社浪江事業所）の開所など、福島県の復興に向けた様々な活動に取り組んでいる。
NISSAN e-シェアモビについて
昨年1月にスタートしたNISSAN e-シェアモビは、日産自動車のEVとe-POWERのみを使ったカーシェアリングサービスで、電気自動車ならではのドライビングの楽しさと快適さを体験できる電動化技術と、先進運転支援技術や自動駐車機能などの知能化技術を体感できる。
さらに、免許証がそのままIDカードとなり15分単位から利用できること、利用時の距離料金が追加発生しないこと、清掃を毎日実施することなどがユーザーに高く評価されている。
