【今週の日本の卓球】張本智和、悲願の今年初優勝 ブルガリアオープン全日程終了

写真:優勝した張本智和(木下グループ・写真左)と陳幸同(チェンシントン・中国・写真右)/提供:ittfworld

8月13日から18日にかけて、ITTFブルガリアオープンが開催され、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの計5種目が行われた。

今大会は中国の主力選手などの世界ランキング上位の選手があまりエントリーせず、日本選手は好成績を収めた。

男子試合結果

写真:優勝した張本智和(木下グループ)/提供:ittfworld

男子シングルスの優勝は、張本智和(8月世界ランキング5位・木下グループ)で、意外にも2019年初のタイトル獲得となった。準優勝は趙子豪(ジャオズーハオ・同110位・中国)で、ドミトリ・オフチャロフ(同11位・ドイツ)とクアドリ・アルナ(同22位・ナイジェリア)を連破している。

3か月ぶりに世界ランキングトップ10に返り咲いた丹羽孝希(同10位・スヴェンソン)は、本戦1回戦で、今大会絶好調のマルコス・フレイタス(同24位・ポルトガル)にストレートで敗れた。

フレイタスはその後も荘智淵(チュアンチーユエン・同36位・チャイニーズタイペイ)に勝利し、準決勝で張本と対戦。しかし、張本にはストレートで敗れた。

また水谷隼(同14位・木下グループ)は本戦1回戦で吉村和弘(同43位・東京アート)を破ると、準々決勝でクアドリ・アルナと対戦。2017年のワールドカップではストレートで勝利していたが、今回はフルセットデュースの大激戦の末、敗退した。

ダブルスの優勝は、韓国の鄭栄植(チョンヨンシク・同23位)/李尚洙(イサンス・同18位)ペアで、宇田幸矢(同102位・JOCエリートアカデミー/大原学園)/吉村和弘ペアが初ペアリングながら準優勝となった。

宇田/吉村は予選を勝ち上がると、本戦1回戦で中国香港の黄鎮廷(ウォンチュンティン・同17位)/何鈞傑(フージュンジェ・同97位)ペアを圧巻のラリー力で破り、勢いそのままに決勝まで進んだ。決勝では経験で勝る韓国ペアに及ばず敗れたが、大きな可能性を秘めていることを示した。

女子試合結果

写真:惜しくも準決勝で敗れた伊藤美誠(スターツ)/提供:ittfworld

女子シングルスでは、平野美宇(同10位・日本生命)や伊藤美誠を破った陳幸同(チェンシントン・同21位・中国)が優勝を果たし、準優勝は何卓佳(フーズオジャー・同19位・中国)となった。

伊藤美誠は質の高いサーブレシーブで本戦を勝ち上がると準決勝で陳幸同と対戦。2018年のジャパンオープンでは伊藤が勝利しているが、通算では負け越している相性の悪い相手だ。今回は伊藤がリードする場面があったもののフルゲームの末悔しい敗戦となった。

石川佳純(同6位・全農)は、ヨーロッパ選手で世界ランキング最高位のベルナデッタ・スッチ(同14位・ルーマニア)を破り、抜群の安定感を見せたが、準々決勝で何卓佳相手にバック対バックのラリーで有利な状況を作れずに、中国の壁を超えることができなかった。

女子ダブルスは、中国の顧玉婷(グーユーティン・同119位)/木子(ムズ・同219位)ペアが優勝、平野美宇/芝田沙季(同20位・ミキハウス)ペアが準優勝となった。

平野/芝田ペアは2回戦で長﨑美柚(同44位・JOCエリートアカデミー/大原学園)/木原美悠(同52位・JOCエリートアカデミー)のエリアカペアを破ると、続く準決勝では中国ペアに勝利。勢いに乗って優勝するかと思われたが、決勝では力及ばず準優勝となった。

混合ダブルス試合結果

写真:初優勝を果たした水谷隼(木下グループ)/伊藤美誠(スターツ)/提供:ittfworld

混合ダブルスでは、水谷隼/伊藤美誠が初優勝。中国のカットマンダブルス・馬特(マテ・同143位)/武楊(ウーヤン・同97位)は準優勝となった。

粘り強いカットマンペアをドライブの緩急で翻弄し、スマッシュで打ち抜くカット打ちはまさに完璧だった。

張本智和/石川佳純ペアは、石川がチャンスを作り、張本が決めるという抜群のコンビネーションで勝ち進んだが、準決勝で水谷/伊藤ペアにストレートで完敗し、ベスト4となった。

文:ラリーズ編集部

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