新幹線長崎ルート 全線フル規格で 国交省に要望へ 建設推進実行委 ルート早期決定も

ルート決定など要望事項を話し合った長崎新幹線建設推進実行委員会=県庁

 長崎の県市町議会と経済団体などでつくる長崎新幹線建設推進実行委員会(八江利春会長)は19日、県庁で会合を開き、九州新幹線長崎ルート・新鳥栖-武雄温泉をフル規格で整備することや、政府予算への調査費計上に向けルートを早期決定するよう国土交通省などに要望することを決めた。
 同ルートを巡っては与党検討委員会が5日、フル規格での整備が適当との方針を示した。ただ、環境影響評価(アセスメント)の前提となるルートは決まっておらず、国交省、長崎、佐賀両県、JR九州の4者協議を求めている。
 要望書は、西九州地域の発展に向け「早期に新大阪への直通運行を実現し、全国の新幹線ネットワークに接続することが必要不可欠」と主張。北陸新幹線と一体的に財源確保の論議を進めるため、来年度の政府予算にアセス調査費が計上できるよう4者協議によるルートの合意や地方負担、並行在来線などの課題解決に向けた合意形成を求めている。
 要望書は今月下旬、国交省、JR九州、長崎、佐賀両県に提出予定。八江会長は「新幹線は最大のヤマ場。国交省に指導力を発揮してほしい」と語った。
 会合では各団体の活動報告もあった。県内の経済団体からは佐賀県でフル規格を求める声が上がるようにメリットを協議していきたいなどの意見が出た。
 佐賀県嬉野市の商工観光関係者らでつくる「新幹線西九州ルートで肥前の殖産を実現する会」は、6月に佐賀市で開かれたフル規格推進シンポジウムを9月ごろ再度開く動きがあることを報告。東京で両県人会に呼び掛けてフル規格整備を訴える決起大会の開催も提案した。

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