パブリックコメント過去最多 ヘイト罰則条例に1万8000通 川崎

パブリックコメントの結果について説明する福田紀彦市長=川崎市役所

 川崎市が成立を目指している、ヘイトスピーチに刑事罰を設ける全国初の条例へのパブリックコメント(意見公募)が1万8千通に達したことが19日、分かった。市のパブリックコメントでは過去最多の数字で、9日まで市が募っていた。福田紀彦市長が同日の定例会見で明らかにした。福田市長は「賛成が多いか反対が多いかを問うものではないことが前提だが、条例に賛意を示すものが多いと聞いている」と話した。

 条例案作りを担当する市人権・男女共同参画室は「1通につき複数の意見が記されているものが多く、意見件数も相当な数になりそうだ。集計と精査にはかなりの時間がかかる」と話す。これまでの最多は、3月に実施した鷺沼駅周辺の再開発に関するもので1万7829通(意見件数2万3714件)だった。

 条例の素案によると、人種や性的指向、障害などを理由にしたあらゆる差別を禁止し、外国にルーツのある人たちへの差別的言動に最高50万円の罰金を設ける。市は12月議会で条例案を提出する予定で、福田市長は「市外、県外からも意見が寄せられ、関心の高さは想定通り。受け止めるべき意見をしっかり受け止めていく」と話した。

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