「認知症カフェ」理解深めて 31日「フェスタ」 専門家ら講演 五島市 参加者を募集

 認知症の人やその家族、近隣住民らが集い、地域全体で当事者を支える拠点となる「認知症カフェ」。五島市は31日、その役割や必要性について市民に理解を深めてもらおうと、市内で「GOTO認知症カフェフェスタ」を開く。認知症ケアの専門家らによる講演の他、認知症カフェを実際に体験できる。
 認知症カフェは参加者が介護福祉士などの専門家を交えて語り合う場で、当事者の社会参加や交流を促す機能がある。2015年に政府が策定した国家戦略「新オレンジプラン」で、20年度末までに全市区町村での設置が掲げられている。
 高齢化が進む五島市も、認知症当事者や家族を支える仕組みづくりを本格化。昨秋から家族が介護の悩みなどを語り合う会を毎月開き、今年3月には市内で認知症カフェを初開催した。将来的には福江や富江、岐宿など市内6地域で、それぞれ地元の介護施設や飲食店などに認知症カフェを運営してもらう構想だ。
 フェスタは31日午前10時~午後3時、五島市三尾野1丁目の市福江総合福祉保健センター。午前10時から認知症に詳しい東北福祉大の矢吹知之准教授が、認知症カフェの事例や役割について講演。午後1時から、熊本市で常設型の認知症カフェを運営するNPO法人の岡元奈央副代表が、アート活動を通じたケアについて話す。午前、午後とも認知症カフェを開設し、午後の部では「認知症の人と家族の会」県支部の神原千代子代表が介護経験などを語る。参加は無料だが、講演は事前申し込みが必要。問い合わせは市長寿介護課(電0959.72.6194)。

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