食用菊の起源が坂本であることはあまり知られていません。奈良時代後期ごろ、中国と日本を往来する天台宗の開祖・最澄により、竹や茶とともに薬草として持ち帰られたのがはじまりと伝えられています。平安時代には「坂本菊」として栽培され、貴重な食材として長く親しまれてきました。近年は生産者の高齢化や出荷先の減少により、年々生産軒数が減少しています。
天台真盛宗総本山「西教寺」は、伝統の味「坂本菊」を伝える地域の活動に賛同し、毎年秋に坂本菊をつかった「菊御膳」を提供しています。鮮やかな黄色、歯ざわりがよく深みのある味わい、ゆでてもシャキシャキとした菊の食感が楽しめるとのこと。
「菊御膳」
毎年11月初旬から
西教寺の紅葉が燃えるような赤に変わるころ、風情あふれる境内にて、ゆったり坂本の秋の味覚を味わってみませんか。
西教寺
情報誌「自悠時間」掲載2015年9月