〔焼岳〕空振を伴う低周波地震発生 登山の際は充分な安全対策を(8/21)

気象庁は、長野・岐阜県境の焼岳で空振を伴う地震が発生したとして、21日09:00、「火山の状況に関する解説情報」を発表しました。
焼岳では、7月27日以降、同様の現象がしばしば発生しており、気象庁では登山の際には噴気や火山ガスの噴出に注意するよう呼びかけています。
なお、焼岳の噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)が継続しています。

焼岳では、きょう21日08:11に空振を伴う低周波地震を1回観測しました。空振を伴う低周波地震は7月27日、28日、8月1日、10日に観測されています。
噴気等の状況は視界不良のため不明ですが、地殻変動には特段の変化は認められていません。

気象庁では、これらの活動は、山頂付近の微小な地震活動が継続するなか発生していることから、火山活動が急変する可能性もあるとして、登山する際は、火山活動の異変に注意するとともに、山頂付近では突発的に火山ガス等が噴出する可能性があることから、噴気地帯にはとどまらず、活火山であることに留意し、ヘルメットを持参するなどの安全対策をするよう呼びかけています。

焼岳は、長野・岐阜県境の北アルプス(飛騨山脈)にある標高2455mの活火山で、現在も活発な噴気活動が続いています。過去の噴火はほとんどが水蒸気噴火であり、最近では1962~63年(昭和37~38年)の噴火で長さ約500mの割れ目火口が生成され、多量の噴石や降灰があり、火口付近の山小屋で2人が負傷しています。
また、噴火に伴って泥流の発生が多いことも特徴で、1915年(大正4年)の噴火で発生した泥流では山の東側の山麓を流れる梓川が堰き止められ、大正池が形成されています。

© 株式会社レスキューナウ