ロッテ石川が復活4勝目「難しかった」ブルペン待機で得たものとは?

ロッテ・石川歩【写真:荒川祐史】

今季初2桁11三振を奪い8回6安打2失点 約2か月半ぶりの4勝目を挙げた

■ロッテ 7-3 楽天(20日・ZOZOマリン)

 ロッテ・石川歩投手が20日、楽天戦(ZOZOマリン)で先発。8回6安打2失点、今季最多11奪三振の好投で、6月2日以来となる今季4勝目(5敗)を挙げた。

 先発復帰2戦目。初回から制球された140キロ中盤の直球を主体に、楽天打線を翻弄した。持ち球のシンカーも効果的に使って3回まで4奪三振。打者9人を完璧に抑える最高の立ち上がりを見せた。4回と6回にそれぞれ1点を失うものの、8回111球、6安打2失点。今季初の2桁11奪三振のおまけつきだ。6月2日の西武戦以来、約2か月半ぶりとなる今季4勝目を挙げた。

 久々のお立ち台では「すごい嬉しいです」と素直に喜びを言葉にした。今季最高の投球に「出来過ぎです。柿沼がいいリードをしてくれたと思います」と、先発復帰となった13日の日本ハム戦に続いてバッテリーを組んだ相棒を称えた。

 ここまで苦難の連続だった。初の開幕投手となったものの、4月3日に腰痛で登録抹消。最短10日で復帰し、5月12日に今季初勝利を挙げるも、6月14日には右肘の違和感で登録抹消。現状打破と「本来の投球を取り戻して欲しい」という首脳陣の思いから、再登録後はプロ入り初のリリーフとして連日ブルペンに入った。

「難しかったですし、いい経験になったと思います」。多くの気づきがあったというが、特に再確認したのが「制球力の重要性」だった。「中継ぎの経験が活かされているのは、コントロールですかね。スピードや勢いも大事ですが、コントロールが一番大事だと思います」。この日はその言葉を裏付けるかのように、柿沼がミットを構えたところに、次々ボールが吸い込まれていった。無四球と付け入るスキを与えなかった。

 井口監督は「本来は真っ直ぐでどんどん押していくスタイル。今日は強い真っ直ぐをどんどん行っていましたし、真っ直ぐで攻められれば、シンカーとかもどんどん活きてくる。真っ直ぐが思っているより、行き出したんじゃないかな」と好評価した。石川自身も、春先からこだわり続けている直球の精度について「まあ、投げられていると思います。感覚はいい。スピードを出しに行ってないのがいいのかなと思います」と手応え。それでも、「真っ直ぐ、もうちょっとだと思うんですけど」と、更なる高みを模索するつもりだ。

「(先発が)長いイニングを投げると楽だなっていうのが、中継ぎはあるので『今日は頑張ったな』と思います」と、中継ぎの立場から自身の投球を振り返り、少し頬を緩めた。再び単独4位に浮上したチームをさらに「マウエ↑」へ導くためには、完全復調したエースの存在が不可欠。「これからも安定したピッチングを続けていきたい」と、今後の活躍を誓った。(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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