シティは「プレミア最強のファウル集団」なのか?BBCの特集がおもしろい

プレミアリーグ3連覇を目指すマンチェスター・シティ。トッテナムとの第2節には引き分けたが、ウェストハムとの開幕戦には5-0で圧勝した。

この試合後、ハマーズのマヌエル・ペジェグリーニ監督はシティの戦術的ファウルに言及。「ペナルティボックスに向かおうとする度、彼らは13回もファウルを犯した」と恨み節を述べたことが話題になった。

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そうした中、『BBC』では、シティと戦術的ファウルについて特集していた。ざっとまとめてみる。

『BBC』

「戦術的ファウル自体は昔から存在するものだ。

採用することが多いのは、アタッキングマインドを持ったチームである。前線に選手を多く配置しているため、守勢に回った時は数的不利になりやすい。

そのために、深い位置でボールを失ったらカウンターを受ける前にカードを貰わない程度のファウルで止めてしまおうというものだ。

ペップ自身は選手たちに意図的なファウルをするように説いてはいないと何度も説明している。

シティがウェストハム戦で犯した13のファウルのうち、相手陣内でファウルは7つ(53.85%)だった。

では、シティはファウル自体が多いファウラーなのかというと違う。

昨シーズンのプレミアリーグでシティが犯したファウル総数は328。これよりも少ないのは、リヴァプール(315)のみだ。

とはいえ、彼らのような支配力のあるチームのファウル数が少ないのは当然のこと。

相手陣で犯したファウルの割合で見ると、少しは公平なデータになるだろう。

2018-19シーズンのプレミアリーグでシティは相手陣でのファウルの割合がリーグ3番目に高いチームだった(58.84%)。

最も数値が高かったのは、リヴァプールの63.17%。総ファウルのうち6割以上を相手陣で犯していたことになる。

(ちなみに、2位はバーンリーの60.28%。最も低いのは、ウルヴスの46.21%)」

『BBC』

「では、シティとリヴァプールは戦術的ファウルのエキスパートなのか。

必ずしもそうとはいえない。両チームともにどこでボールを失ってもハイプレッシャーを身上としているからだ。

では、ボールを失ってから最も速くファウルしてくるチームはどこか。

昨季、シティはボールロストしてから平均8.3秒でファウルをしていた。これ以上に速いのは、アーセナル(8.2秒)だけだ。

これはシティがポゼッションを失った後にすぐにファウルするという主張を裏付けるものかもしれない。

だが、リヴァプールも全く同じ平均8.3秒でファウルしている(エヴァートンも同率)。

2017-18シーズンまで遡ると、シティはボールロスト後平均7.6秒でファウルしており、この時もリーグで2番目に速かった。そして、リヴァプールも3番目に速い平均8.3秒。

シティは戦術的ファウラーを完遂しているように思える。だが、リヴァプールも同等であり、シティのみを指摘するのはアンフェアだ。

では、なぜシティが最大の反則者として認識されているのか。

シティのドキュメンタリー番組で、コーチのミケル・アルテタが「攻守が入れ替わったらファウルしろ」と選手に伝えていたという事実がある。

だが、パット・ネヴィンも指摘するように、シティは前線に配置する選手の数が多いだけに戦術的ファウがより露骨に見えうる。

ネヴィンはこうも言っている。「(シティは)ルールを最大限に活用している。これをやらないチームを私は知らない。もし2人対4人の局面でファウルをしなかったら、監督は激怒するだろう。本能的かつ直感的なものだ」。

ただ、昨季のシティは1試合の平均ファウル数が8.63だったが、今季は2試合で27に倍増。

リヴァプールは1試合平均7.5回で、シティの平均13.5回を上回っているのは、昇格組のシェフィールド・ユナイテッドだけだ」

今季のシティはファウル王になるのか。今後の戦いに注目だ。

第3節でシティはボーンマスと、リヴァプールはアーセナルと対戦する。

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