野党共闘に必要なことは「会派合流」だけではない

©株式会社ニッポン放送

ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(8月21日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。立憲民主党と国民民主党が衆参ともに会派合流で合意したニュースについて解説した。

1988年6月党首会談に臨む国民民主党・玉木雄一郎代表(左)と立憲民主党・枝野幸男代表=2019年8月5日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

立憲民主党と国民民主党、衆参共に会派合流で合意

 

枝野代表)相互に協力して行くことを確認していただけるということで、大変なご英断をいただいたと敬意を表したいというように申し上げました。

 

玉木代表)国民の期待を受け止めることができる新しい動きにつなげて行きたいと思いますし、ひいては政権交代につなげて行く第1歩だと考えています。

 

立憲民主党の枝野幸男代表と国民民主党の玉木雄一郎代表は20日、国会内で会談し、衆参それぞれ統一会派を結成することで合意した。秋の臨時国会に向けて、野党共闘で安倍政権への対抗姿勢を強めて行く。

飯田)当初、枝野さんは衆議院のみで統一会派を提案していたということですが、玉木さんは参議院も含めた衆参両院で会派結成をしましょうと言ったということです。

2016年9月3日(47歳)(玉木雄一郎-Wikipediaより)

原発ゼロの立憲に民主は同調できるのか

佐々木)こういう話になると、必ず野合などと批判が出ますが、野合とまで言い切っていいか分からないけれども、かなり路線は違います。国民民主党はどちらかと言うと中道右派寄り、改憲も前向きではないが、議論してもいいですよという姿勢。共産党とはあまりそぐわない感じですよね。立憲民主党は安倍政権支持が続くなかで、中道に寄りすぎると安倍政権と区別がつかないという判断があったのか分かりませんが、かなり左寄りに振れて来ていて、共産党にも近づいています。もう1つ問題だと思うのは、原発ゼロ法案を巡る話で、立憲民主党は原発ゼロをやりましょうと言いますが、国民民主党はそこまで踏み込めないというところです。

飯田)支持母体もありますからね。

佐々木)それだけの話であればいいのですが、前回の参院選で立憲民主党はおしどりマコさんのような、かなり原発問題についてどうなのかなという問題発言をされている方を候補に立てて、それに対して福島の人から議論が上がっている。結局そこに対して答えないまま、おしどりマコさんは落選して終わりましたが。この原発デマみたいなものを容認するという立憲民主党の姿勢に対して、国民民主党の玉木さんはどう考えているのかな、と知りたいところであるというのが1つ。

政治団体「れいわ新選組」の山本太郎代表(右)は、女性装の東大教授、安冨歩氏が参院選に出馬することを発表した=2019年6月27日 写真提供:産経新聞社

れいわの支持率が上がっても、野党の支持層のなかで移動しただけ

佐々木)あともう1つは、野党はこうやって統一会派を作ったりして離合集散し、れいわ新選組が出て来ましたよね。この前の共同通信の世論調査を見ますと、急にれいわ新選組の支持率が2倍に上がっていて、野党の力が高まったのかと思うと意外にそうでもなく、全体として見ると自民党支持は全然崩れていない。40%辺りをうろうろしている。野党の支持層の一部がれいわ新選組に流れているだけで、結果的に狭いマーケットのなかで奪い合っているという状況は変わらない。

東京都内で開かれた中央最低賃金審議会の小委員会=2019年7月30日午後 写真提供:共同通信社

野党は反対だけではなく、具体的な対策を打ち出すべき

佐々木)どうやったら自民党支持を突き崩せるのかということを、もう少し真面目に考えた方がいいのではないかなと思います。個人的な意見ですけれども、いまの様に反対だけをしている状況では、変わることはないです。いまは安倍政権自体が緊縮財政に行きつつあるわけでしょう。消費増税反対だと、前に立憲民主党も言っていました。でも反対ならその対案としてどういう形で、例えばMMTにのっとりますとか、そこまで行かなくても金融緩和、アベノミクスを支持し、その上で何か考えますとか。とりあえず安倍政権支持で安定した経済状態が行われているところに、プラスアルファで何ができるかということを訴えて行かないと、自民党支持を突き崩せないのではないかなと思います。逆にそこを言って行けば、支持は高まるのではないでしょうか。「消費増税に反対して財政出動をして、いまの雇用を守ります」ということを打ち出せば、ある程度支持は増えて行くのではないかなと思うのですが、なぜできないのか。

飯田)一気に最低賃金を1500円まで引き上げるということを言うのですが、それをやってしまったら韓国みたいに失敗してしまう可能性がありますよね。

佐々木)極端が多いのですよ。れいわ新選組は言っていることは面白いのだけれども、全体の整合性が無さすぎるというか…。

飯田)それだと経済が壊れてしまうという感じですよね。

佐々木)そうなのですよね。それを言ってしまうと、ポピュリズムになってしまうような問題がある。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

radikoのタイムフリーを聴く