「増税に間に合わない」レジの改修に業者苦慮 沖縄で発注急増の理由は安倍首相の言葉

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軽減税率対応のレジシステム。レジ販売業者はシステム改修に追われている=20日、那覇市

 消費税率を8%から10%に引き上げる10月の増税に合わせて、外食・酒類を除く飲食料品などで税率を8%に据え置く軽減税率制度が始まるのを受け、県内のレジスター販売業者が対応に追われている。両方の税率に対応するには既存レジのシステム改修か買い替えが必要だが、現政権が増税を先送りするとの観測が長引いたのが要因。休日返上で対応を急ぐ業者からは「10月には間に合わない」と、制度施行後の混乱を危ぶむ声も出ている。(政経部・仲田佳史)

 POS(販売時点情報管理)レジ最大手の東芝テック(東京都)の沖縄営業所(今村雅克所長)は6月以降、例年の約2倍の注文が入っている。

 軽減税率対応レジの購入で国の補助金が利用できるテレビCMが6月に放映されてから注文が一気に膨らんだ。顧客対応のため社員が県内各地を飛び回り既存レジのシステム改修に追われ、新規注文の対応に苦慮している。今村所長は「既存のお客さまに迷惑を掛けないよう対応している。全メーカーを入れても軽減税率対応済みのレジは過半数に満たないのではないか」と見通す。

 制度開始直前の9月30日から10月1日にかけて、軽減税率に対応できていない飲食・小売店などから電話が集中する可能性もあるとし、徹夜で待機する方針だ。

 タブレット端末を使ったPOSシステムを販売している「USEN-NEXT HOLDINGS」(東京都)は県内での6月の売上高が前年同月比2倍となった。担当者は「テレビCMが放映されてから注文が増えている」と話す。

 休日返上でシステム改修に追われる県内の別の業者は軽減税率対応のレジ導入の動きが鈍かった背景に、安倍晋三首相が「リーマンショック級の出来事がない限り、予定通り消費税率を引き上げる」との発言があると指摘。「政権が選挙を有利に戦うため再び増税延期をにおわせていると受け止められ、多くの店舗が静観していた」と明かす。

 販売関係者は「軽減税率でレジ業者はもうかっているといわれるが、休みなく対応に追われ、実際は迷惑そのもの。制度開始とともに手作業で税別ごとの計算をする店舗も出て混乱するのではないか」と先行きを憂慮した。