ホームシックを経験したスター選手、5名

先日、シント=トロイデンに移籍したFW鈴木優磨がホームシックに罹っているという報道があったものの、本人がInstagramでそれを否定するという出来事があった。

このところは様々なクラブが選手に対してのケアを重視していること、通信手段が増加していることによって少なくなっているが、かつては移籍によってホームシックにかかる選手も多かった。そんな病気を経験したスター選手5名を特集しよう。

ディディエ・ドログバ

コートジボワールの英雄であるドログバ。彼は人生を通して複数回のホームシックに苦しんだ選手の一人だ。

5歳の時にサッカー選手だった叔父と暮らすためにフランスへ渡ったが、馴染むことができずに3年後に帰国することに。ただ両親が職を失ったことでフランスに戻ることになり、サッカー選手となった。

そして2004年にマルセイユからチェルシーへと移籍したあとも「少しホームシックだった」と本人が語っており、心の一部にフランスが残っていたことを明かしている。

カルロス・テベス

ホームシックに悩まされた選手の一人として彼も有名だ。マンチェスター・ユナイテッドを経てマンチェスター・シティに加入したあと、彼は家族との別離に苦しむようになり、26歳で代表引退をも考えていたそう。

当時の同僚ロケ・サンタ・クルスが明かしたところによれば、テベスは娘が早産児で生まれたこともあってホームシックで敏感な状況にあったとのこと。それもあってクラブとの関係が悪化してしまった。

また、中国の上海申花に移籍した際にも馴染むことができず。当時の監督グスタボ・ポジェは「彼はほとんど何も食べられずにいる」と会見で話しており、異文化への適応を苦手としていたようである。

ヘスス・ナバス

セビージャで長くプレーし、マンチェスター・シティでも数年間活躍したヘスス・ナバス。彼は若くして精神的な問題を抱えたことでよく知られる。

スペインの年代別代表に招集された際にも脱走するなど慢性的なホームシックに苦しみ、不安障害や発作を抱えながらプレー。セビージャがアメリカで行ったプレシーズンツアーにも帯同できなかったことも。

しかし年齢と治療を重ねてその精神的な病気を克服。2010年にはワールドカップに出場し、2013年にはイングランドへの移籍で成功を収めた。

ジャーメイン・デフォー

イングランドの名ストライカーの一人であるデフォー。2014年の1月には長く所属していたトッテナムを離れ、MLSのトロントFCへと移籍することが決まった。

加入後すぐにゴールを決めるなどピッチ上では活躍したが、クラブと街には全く馴染むことができなかったという。いきなりMLSの看板スターとして広報活動に動く生活が精神的に苦痛だったのだと『Daily Mail』は伝えている。

彼は数カ月後にはイングランドへの復帰を求め、後半戦では怪我でほとんどの試合を欠場することに。1年弱でサンダーランドへの移籍が決まっている。

ホセ・アントニオ・レジェス

セビージャでブレイクしたホセ・アントニオ・レジェスは、2004年にアーセナルと契約してプレミアリーグに挑戦した。

両親と兄弟も連れての移籍であったが、彼はロンドンの天気や環境、食事などに全く馴染むことができず、英語も話せず。しかも地方の訛りが強かったためにスペイン人の同僚ともあまりコミュニケーションが取れなかったという。

2006年には公にレアル・マドリーへの移籍を希望することをメディアに明かし、その希望が通って貸し出され、母国でキャリアを復活させた。その後はアトレティコ・マドリーや古巣セビージャなどでプレーしてきたが、今年6月1日に不慮の交通事故によって死去している。

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