オトコ時間 -保育士歴、13年目。「自分らしい仕事」を選んで- 同じ職業に就く男女が、互いの持ち味を活かし、活性化される職場 ~木原 淳さん(35歳)/大津市~

大津市で二期目の男性保育士

木原さんの転機となったのは、大学時代。小学生対象の野外活動サークルにボランティアとして参加したときのこと。最初は何もできなかった子どもたちが、キャンプなどを通して、仲間と協力し合い、ガマンすることを知り、大きな成長を遂げる姿が心に響きました。「子どもと関わる仕事をしたい」、木原さんの決心が固まった瞬間でした。

ご両親の「自分の思う道に進めばいい」との考えにも後押しされ、大学四回生から国家資格試験の勉強を始め、翌年に合格。小学生の児童クラブ(放課後保育)の指導員を経て、平成15年に23歳で大津市の正職員として保育士になりました。

いろいろな人と関わることは、子どもたちにとってもプラス

木原さん自身は、保育士が「女性の仕事」という認識はなかったそうですが、試験会場や実際の職場は女性ばかり。働き始めてからも戸惑いはありました。

「感性が豊かで細やかな気配りができる女性の先生を見て、自分にはない部分だと反省し、悩んだこともあった」とのこと。一方で「体を動かすのが好きなので、子どもたちとサッカーをしたり、ダイナミックな遊びを楽しめる」と自分ならではの良さも見つけられました。

「子どもたちにとっても、幼いころからいろいろな人と触れ合い、できるだけ多彩な経験をする方がいい。その一つを男性保育士が担えるのであれば、私の存在も意味があることなのでは」と木原さん。

木原さんが勤務する、大津市立ひえい平保育園では、保育士たちがチームで活動し、意見を交わしながら、保育活動を行っており、そこに男女の垣根はありません。木原さんは「子どもたちが自分の力で乗り越えていくにはどのようなサポートが必要なのか。チームで話し合い、保護者を巻き込みながら一人ひとりの個性に向き合っていきたい」と真剣なまなざしで話してくださいました。

情報誌「自悠時間」掲載2015年9月

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