「自然のミスト」で涼 かつての修験の行所、愛川・塩川滝

ひんやりとした冷気が漂う中、水の落下を間近で眺められる塩川滝 =愛川町半原

 残暑が続く中、神奈川県愛川町半原地区にある塩川滝が、訪れる人に涼を運んでいる。こけむした岩壁などに囲まれた滝周辺には冷気が漂っており、ごう音を響かせる川の水の落下に伴って霧状のしぶきが散るからだ。

 滝は、地元の八菅山(はすげさん)を中心とする山岳信仰・八菅修験の行所の一つだった歴史があり、町の景勝10選にも選ばれている名勝。幅約4メートル、落差15メートルで、滝つぼ付近まで手すり付きの歩道が整備され、迫力ある水の流れやごう音を間近で楽しめる。

 残暑を逃れて訪れる人の姿も。家族と見物に来た相模原市中央区の自営業長井勇輝さん(37)は「近場にこんなに立派な滝があると驚いた。自然のミストが降ってきて気持ちいい」と話していた。

 塩川滝は同町半原948先。問い合わせは、町商工観光課電話046(285)2111(代表)。

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