ジャック・ビルヌーブがカレラカップ・スカンジナビア参戦。王子とポルシェで対決

 元F1王者のジャック・ビルヌーブが、2019年の開幕戦に続いてポルシェカレラカップ・スカンジナビアにゲスト参戦した。8月17~18日の週末にスウェーデン、カールスクーガで開催された第5戦のイベントに出場し、同国の“本格派ドライバー”であるカール・フィリップ王子と対戦。レース2では8位フィニッシュを果たしている。

 これまでSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権やスウェディッシュGTなどと併催されてきたポルシェカレラカップ・スカンジナビアには、日本でもおなじみのフェリックス・ローゼンクヴィストやビヨン・ビルドハイム、ラリー界からはアンドレアス・ミケルセンや、マッズ・オストベルグ、ポンタス・ティディマンドらも、VIPドライバーとしてゲスト参戦を果たしてきた。

 1997年にウイリアムズ・ルノーをドライブしてF1チャンピオンを獲得しているビルヌーブは、2019年シーズン初めにクヌットストープで開催されたシーズンオープナーにも招待され、初めてのポルシェカレラカップ・スカンジナビアを経験している。

 その反響を受け、ビルヌーブは再びシリーズからのVIPゲスト待遇でポルシェ911 GT3 Cupのコクピットにカムバックするよう要請を受けた。そのビルヌーブと同じく、シリーズにゲストとして招かれた同国王室のカール・フィリップ王子は、王室唯一の皇太子として王位継承権第4位のロイヤルファミリーでありながら、レーシングドライバーとしての本格的なキャリアを重ねてきた。

 同シリーズにもフル参戦の経験があり、その他にはTTA時代のSTCCにボルボ・ポールスター・シアン・レーシングからエントリー。ロバート・ダールグレンやテッド・ビョークのチームメイトも務めている。

2019年開幕戦以来、2度目のシリーズ挑戦となる1997年F1チャンピオン、ジャック・ビルヌーブ
王室の一員でありながら、本格的モータースポーツ活動を続けるカール・フィリップ王子は、STCCでの勝利を経験している
R1ではスピンを喫してから怒涛の追い上げを見せるも、ファイナルラップでピットへ向かうなど相変わらずのところを披露

 近年はそのTTA規定時代のボルボS60を使用してスウェディッシュGTなどにも参戦。2018年からは同シリーズにロータス・エヴォーラを投入するなど、精力的なモータースポーツ活動を続けてきた。

 ともにゲスト参戦となったふたりは、シリーズが用意するVIPカーの伝統的カーナンバー“911”をカール・フィリップ王子が使用。開幕戦ではその911号車をドライブしたビルヌーブは今回、F1タイトル獲得に敬意を表したMテック・コンペティションの97号車でレースに挑んだ。

 17日土曜のオフィシャルテストで22台中9番手のタイムを記録したビルヌーブは、そのままの勢いで予選Q1へ。Q2進出を賭けトップ8入りを目指したものの、ポールシッターから0.982秒差の11番手に終わり、ここでグリッド確定となった。

 すると日曜レース1では序盤の攻防を制してポジションを上げ、トップ10圏内に進出してレースを進めていくも、他車とのコンタクトからスピンを喫し、車列の後方へとドロップ。

 巻き返しを図って予選グリッドと同じ11番手まで挽回したところで「レースが終了したと思ったんだ」と、ファイナルラップにピットへと戻りそのままガレージイン。“らしい”ハプニングで1周遅れの16位という最終結果に。

 一方のカール・フィリップ王子は、スタートのアクシデントに巻き込まれドアが破損するほどのダメージを受けストップ。なんとか修復を終えレース2に挑んだが、周回遅れの消化不良のまま週末を終えている。

 しかし、レース2に向け97号車911 GT3 Cupの特性を掴んだビルヌーブは、中団でのバトルを満喫して7番手とコンマ差の勝負を繰り広げて8位フィニッシュ。無事にトップ10圏内で完走を果たしている。

カール・フィリップ王子は、リチャード・ゴランソンやテッド・ビョークらとともに2018年からロータス・エヴォーラGTをドライブする
R1のダメージを修復しR2に挑んだ王子だったか、1ラップダウンの21位に終わった
一方のジャック・ビルヌーブは、中団でのバトルを満喫してトップ10フィニッシュを果たした

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