「学校に行かない選択」も つらさ否定しないで 不登校当事者らがメッセージ

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不登校の経験を話すさゆりさん=東京都内

 夏休みの終了を前に、NPO法人「全国不登校新聞社」(東京)が23日から、不登校の当事者によるメッセージを発信する。学校の再開が近づく8月下旬は、登校が苦しいと感じている子どもたちが悩みを深める時期。その思いを知る当事者は「つらいなら先生に相談して。それがだめなら、無理して学校に行かないで」「あなた自身が幸せにならなければ意味はない」と声を上げる。

 同法人では、18歳以下の自殺は9月1日が突出して多いというデータが出た2015年から、ほぼ毎年この時期にメッセージを発信している。同法人が発行する「不登校新聞」編集長で当事者だった石井志昂さん(37)は、「子どもは、学校に行けない自分は生きられないと受け止めがち。学校に行かずに生きている人がいることを知ってほしい」と目的を話す。

 今年は不登校中の14歳の中学生から、40代までの5人がメッセージを寄せた。

 川崎市内に住む、さゆりさん(18)もその1人だ。周囲に合わせることが苦手で、小学校時代はいじめにも遭った。

 中学3年生の夏休みは「親にも迷惑をかけてきたし、進路のためにも学校に行かないといけない」と気が重かった。「ささいなことで悩んでばかりの人生なら、死んでやり直したい」と考えているうちに、休みが終わったという。

 最もつらかった夏休み明けに、体調を崩し休みがちになった。なんとか参加した学校行事で教員に欠席の多さを責められ、10月から不登校に。そのまま登校せず卒業した。「学校に行かない選択をしたと割り切ったら、気持ちが楽になった」と振り返る。

 さゆりさんは、通信制高校のオープンスクールで信頼できる教員と出会って進学。在学中は、かつての自分と似た状態の中学生の話に耳を傾け、「楽になった」と言われたこともあった。高校を卒業した今は、不登校者の支援をしたいと活動中だ。「私も死ぬことを考えた。そういう自分の気持ちを否定しなくていい。世の中には、つらい気持ちを丸ごと聞いてくれる人がいる。私もそういう人に出会って救われた」と呼び掛ける。

 不登校当事者からのメッセージは、全国不登校新聞社のウェブサイト(http://www.futoko.org/)で公開される。