鈴鹿10時間:石浦宏明、憧れのミカ・ハッキネンと出会う「チームの和を大事にしている印象です」

 いよいよ8月23日に走行がスタートする2019第48回サマーエンデュランス『BHオークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』。今回、大きな注目を集めているのは、元F1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネンの参戦だ。そのハッキネンと組むPLANEX SMACAM RACINGの石浦宏明が、初めてハッキネンと会った印象を語ってくれた。

 鈴鹿10時間に参戦する1998年・99年のF1ワールドチャンピオン、ミカ・ハッキネン。今回久保田克昭、そして二度のスーパーフォーミュラチャンピオンである石浦宏明とトリオを組み、マクラーレン720S GT3をドライブすることになるが、幼少期からモータースポーツが大好きだった石浦にとってハッキネンは憧れの存在だった。

 実は石浦の父親は広告代理店で仕事をしており、モービル石油のコマーシャルを担当していたのだという。そこでハッキネンと仕事をともにしたことがあり、石浦のためにサインをもらってきてくれたのだとか。そのハッキネンのサインは、ずっと石浦の部屋に飾られていた。

「僕、ハッキネンのサイン書けますから(笑)」とずっとサインを見続けて成長した石浦は笑う。その他にも、ハッキネンがドライブしていたロータスのプラモデルを購入した経験があったという。

 ハッキネン自身はすでに8月6日に来日し、すでにマクラーレンをドライブしていたが、その際に石浦は別件で鈴鹿に行くことができず、8月22日の朝、初めて石浦はハッキネンと会うことになった。

「実はハッキネンさんが昨日の夜、僕のInstagramに『いいね』をしてくれていたんです! しかも『がんばろうぜ』的な絵文字でコメントもしてくれていました。『おお、僕のことを認識している!』と思いました」と石浦。

「そして今朝初めてピットで会ったんですが、『グレート! お前すごい筋肉あるな! 会えるのを楽しみにしていたよ』というような声をかけられました。パレードのときのトークショーでは、僕が部屋にサインを飾っていて、書けるという話をしたんですが、そうしたらハッキネンさんはすごく喜んでくれましたね」

 その後もトークショーやミーティング等、忙しいスケジュールのなかでなかなか話すことができなかったが、ミーティングではハッキネンから相次いで質問が飛んだという。

「ミーティングでは、フルコースイエローや四輪脱輪のルールなど、このレース独自のものが多くあるので、そういった話をしたり、金曜日の天候やどのセッションでどう走るかなどの話をしていましたね」と石浦は明かした。

「僕のことをすごく信頼してくれているようで、『石浦がいちばん経験があるから、彼が言ったとおりにやろう』と言ってくれました。クルマのセットアップも、僕が何度かテストをして進めていたのですが、その最後の状態でハッキネンさんに乗ってもらったんところ『クルマはノープロブレム。このままで行こう』と言ってくれました。チームの和を大事にしているのだな、という印象ですね」

 石浦もGT3のレースは初めてということもあり、いきなり優勝を狙う……というわけにはいかないだろうが、「今回はしっかりチェッカーを目指したいですね。テストのときにトラブルもありましたし、スーパーGTでも完走するのはすごく難しいのだと改めて実感しています。もちろん速く走るつもりですが、結果はまずはフィニッシュした後かなと」と石浦は今回の目標を語った。

「とりあえず今回もハッキネンさんのファンがたくさん来ているので、ファンの皆さんにしっかりハッキネンさんが戦う姿をお見せしなければいけませんね」

8月22日に行われたフォトシュートの後、写真に収まる久保田克昭、ミカ・ハッキネン、石浦宏明

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