これが名キャディ流・メンタルサポート? 堀川未来夢は「ゴルフどころじゃなかった」

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履正社の岡田監督に負けない?名采配の清水重憲キャディ(撮影:鈴木祥)

<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 初日◇22日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178ヤード・パー72>

本大会に4回出場して、予選落ちが3回。ベストスコアは「71」と、堀川未来夢にとって鬼門の一つだったザ・ノースカントリーGC。そんなコースで、1イーグル・3バーディ・2ボギーの「69」とベストスコアを2つ更新して、首位と2打差の4位発進を決めた。

どんな秘策を講じてきたのかと思ったが、「今日はゴルフどころじゃなかったんです」と笑いながらホールアウト。実はこの日、堀川の頭は“野球漬け”になっていた。

今週堀川を支えるのは、今年の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」で初優勝をサポートした清水重憲キャディ。これまで本大会で谷口徹の優勝を経験、女子ツアーではイ・ボミ(韓国)などを担いできたベテランだ。その清水キャディの息子が通う履正社高校が、この日に甲子園の決勝戦の真っ最中。「ラウンド中はずっとギャラリーさんに毎ホールごとに結果を教えてもらっていました(笑)」(堀川)と、甲子園を気にしながらのラウンド。

しかし、これも名キャディの作戦のうちだったようで…?「苦手と聞いていたので、あまり気にしすぎずリラックスしてもらおうと思っていた。野球のほうに意識がいっていたのでよかった」(清水キャディ)と見事に奏功。「ティショットを打つ寸前に、ギャラリーさんが“○”って(ハンドサインを)やってくれて。優勝が決まってゴルフに集中しようと思ったらあまりうまくいかなかったので、適度なバランスが大事なんだなと思いました」(堀川)。思わず笑いがこぼれた。

メンタル面だけでなく、当然技術面でのサポートも万全。堀川にとって、フェアウェイの広い本コースは目標物がなく、球筋がイメージできないため苦手意識を持っていた。それを図ったように、「ティショットの打ち出しの方向を細かく言ってくれた。『あのバンカーの方向の、右端くらいに出して』と意識させるように言ってくれた」と的確な助言で好スコアに導いた。

明日は“気逸らし作戦”の高校野球はないが、「今日の3アンダーで苦手意識もそんなになくなった」と自信も付いた。不安があったコースでの優勝争いに向け、準備は万端だ。(文・谷口愛純)